U2 - 360° at the Rose Bowl

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U2 : 360° at the Rose Bowl (2010)

360 at the Rose Bowl [Blu-ray] [Import] ノー・ライン・オン・ザ・ホライゾン
No No Line On the Horizon

 2009年のアメリカに於ける最大興行のひとつであるU2のツアーを丸ごと収録した映像タイトルとしてつい先日リリースされたばかりの「360° at the Rose Bowl」。マドンナやストーンズなどと常に興行成績が話題となるU2だが、このライブでは約10万人を動員したらしい。U2も凄いがアメリカの人口の多さに驚く。自分も知らなかったんだけどこのライブってまだUStreamが普及してなかったためかYouTubeでライブを生に近い形で放送したのだとか…。UStreamが普及していたらそっちだったろうな。そう考えると文明の発展は最近でも凄いスピードっつうことだ…、浸透度も含めてのスピードね。

 そんなU2がアルバム「ノー・ライン・オン・ザ・ホライゾン」をリリースしてからのツアーとなった本作「360 at the Rose Bowl」だが、何となくの評判がよろしくない。どうやらボノの覇気が弱いってことらしいのだが、どうなんだろ?と思って興味もあったんだけど、世界最高峰の部類に入るエンターティナーのU2が出来が悪い、ったってその辺のモノ見るよりは全然楽しめるハズだ、と。ステージセットはタイトル通りに360°開けた開放的な作りで、一体どこを向いてライブやるんだ?って感じだが、結局はフロントの定位置ってのがあってさ、そこで演奏することが大半なので、見にくい席がいっぱいあった、ってことになるのだろう。

 パフォーマンスの方は確かに鬼気迫る臨場感もなければ愛の溢れた優しさにも特化したものでもなく、淡々とU2のステージを披露しているというもので、ファンの…と言うか、これまでリリースされてきたライブの質の高さが標準型となってしまったファンからすると物足りなさを覚えるものではあるかな。これまでは何かとテーマがあって、それを強烈に打ち出してツアーとライブを作り上げていたが、今回は結構テーマが曖昧なままだったからさ。アルバム「ノー・ライン・オン・ザ・ホライゾン」自体のテーマがややぼやけていたのがそのままステージに出ている。とは言え、何が不服か?と言われるほどの不満はない。何を取ってもカッコ良いし満足できるしやっぱり曲のアレンジはいくつか変更しながら飽きさせないアレンジを施しているし、外さない曲=期待された曲はしっかり演奏してくれるし、相変わらず4人だけのライブはシンプルでビシッとソリッドにタイトな音を出してくれるしね。特にドラムのラリーの姿がいつもながらカッコ良い。この人はホントに寡黙でロックな男な印象なのです。

 うん、全部見てしまうと確かに評判通りに言われるのもわかるし、パワー不足が露呈してしまっているのもある。ボノのスタンスが強烈なイメージを与えているので見ている側はそういう印象なんだろう。ただ、U2というバンドの本来持っていた姿に戻りつつある中でステージの派手さが邪魔になってきたんじゃないか?そろそろ超シンプルなU2ってのをやってもいいじゃないか。最初期以前のスピリッツの再確認とそれこそ原点回帰による新たな創造ってことで。ん・それがどんな形かってのは知らない(笑)。ただ、ストーンズがライブ中盤で小さいミニステージでやった時、あぁ、これがストーンズだよな、と思ったから、U2もそういう自分たちらしさ、ってあると思うんだよね。



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フレ
Posted byフレ

Comments 1

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mk  
ありがとうございます

こんばんは。
とても 遅れてですが、最近u2をよく聴いています。
以前は この暗さが嫌で・・。
色んな解釈をありがとうございます。
すごくためになります。

2010/08/20 (Fri) 01:15 | EDIT | REPLY |   

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