Stackridge - Friendliness

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Stackridge : Friendliness (1972)

1. Lummy Days
2. Friendliness
3. Anyone for Tennis
4. There Is No Refugee
5. Syracuse the Elephant
6. Amazingly Agnes
7. Father Frankenstein Is Behind Your Pillow
8. Keep on Clucking
9. Story of My Heart
10. Friendliness, Pt. 2
11. Teatime

Friendliness スタックリッジ
Stackridge - Friendliness Friendliness Stackridge - Stackridge Stackridge

 英国的なポップ路線を受け継ぎながらプログレッシブな指向性も持ち、実にユニークな音作りを行っていたスタックリッジ。有名なのはこの後にリリースされた「山高帽の男」ではあのジョージ・マーティンをプロデューサーに迎えてまんまビートルズらしい名盤をリリースしている。今回はその前の1972年にリリースされたStackridgeとしてのセカンドアルバム「Friendliness」となる。

 今となっては一般的にはほとんど知名度はないし、そこそこ知られているとしても70年代から80年代にかけてThe Korgisというバンドで活躍した人達が元々在籍していたバンド…という程度か。自分的にはそのThe Korgisってのをまだ聴いたことがないので、全く印象が薄いのだが…。Stackridgeとの出会いは…、例によって英国ロック本の中で見かけたことから記憶にインプットされていて、欲しいレコードを巡る旅=レコ屋漁り時に気にする程度でしたね。もちろん音なんかどこでも聴いたことなかったので、その英国ロック本で読んだちょっとした解説だけで自分が買うレコードの順位を付けていくワケですよ。なので、どうしてもビートルズとかポップとか言う言葉があると後回しになってしまってさ(笑)。もっとも見かけたら買ってたんで、巡り合いの運だけだった、ってのはあるが…。

 そこで自分が最初に出会ったのはStackridgeのファーストアルバム「スタックリッジ」。BGMからのリイシュー盤で、後にオリジナル盤を見かけた時のジャケットの重厚さとはまるで異なっていたものだ。まぁ、それでも聴けたから良しとしよう…として、それほどお気に召さなかったってのもあって他のアルバムはかなり後になってから徐々に聴いていたってトコだ。この「Friendliness」もそんな流れの一枚で、Stackridgeの中で聴いたアルバム順からしたら結構後の方じゃないかな。どのアルバムもロック的なインパクトはなくって、浮遊した感覚とポップ的な感覚…それでいてヤケにプログレッシブなアプローチという不思議なバンドでさ、「Friendliness」はどうなんだろ?っていう好奇心はあった。「山高帽の男」の前のアルバムだから自分たちの音楽を模索しているだろうし、と。

 聴いてみるとわかるけど、実に多様性に溢れたアルバムに仕上がっていて、メンバーのユニークな音楽性の高さを楽しめる。バイオリンやフルートというのも普通に使っていて、もちろん主役じゃないにしてもStackridgeとしての味付けがきちんと出来てるもんね。鍵盤の比重も割と高くて、牧歌的…とまでは言わないがどこか遠くを見るような雰囲気を特徴としているかな。プログレッシブなアプローチと言う割りに「Friendliness」ではもう5分程度の曲ばかりで纏められているので聴きやすいし、そういう意味では真のプログレッシブバンドの基準を満たしているのかもしれない(笑)。いや、本物のプログレバンドは小曲から出発していることが多いっていう自説ですが。

 ビートルズ的という側面はまだそれほど出ていなくて、どちらかっつうとYesやGenesisの初期のような英国の軽やかさと重さとメロディが同居しているという不思議なバンドで、B級的な匂いはほとんどないんだよね。A級センス抜群で、音も今聴いても古臭い部分をあまり感じられないから、しっかりと作られているんだと思う。曲構成がこれまた面白くてさ、一曲だけ9分弱の曲があるんだけど、これがよく出来たドラマティックな作品で、素晴らしいんですよ。なかなか出会えない世界だろうけど、こういうポップでプログレってるのってさ。個人的にはパンチが足りなくてもうちょい、っていうトコだけど秀作の域ではあるよね。



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フレ
Posted byフレ

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