Tarot - Gravity of Light

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 ヨーロッパ方面にも話が及んでしまったのでついでながらまだまだ無名だろうと思われるバンドの新作紹介…、ただしキャリアはRattとさほど変わらないくらいの長さを誇るし、フィンランドではヘヴィメタルの草分け的存在としても名高い、らしいバンド、Tarot。知る人ぞ知る、というトコロだが、Nightwishに参加しているベーシスト兼ボーカリストのマルコ・ヒエタラがそもそもシーンに出てきた時のバンドです。この人、その実1966年生まれなので相当キャリアを積んだ強者で、Nightwishなんて若いバンドなのに、と思ってたけどこういうところで才能とキャリアを開花させて古巣に恩恵を与える、みたいな仕事人的なトコロもなかなか男臭くてよろしい。

Gravity of Light Live Undead Indeed

 そんなマルコ・ヒエタラのバンド、Tarotの何枚目だろうか?ついこないだ出た新作が「Gravity of Light」で、Nightwish効果も当然あるだろうが、フィンランドのチャートで1位を獲得したとか…。日本じゃあり得ない話だが、そこはメタル王国フィンランド、そんな事もあり得ると言う面白い状況。もちろんメンバー全員で喜んでツアーをしていて、また今度秋頃からツアー漬けなんじゃないかな。Nightwishの方がボーカルのアネットさんは産休状態だから今年はTarotで暴れようって事だろうよ、マルコ・ヒエタラさん。他のメンバーって普段Nightwish活動中はどうしてるんだろ?そんなにマルコの都合に合わせて動けるものなのだろうか?

 それはともかく、Tarotと言うバンドは最初の頃から黒魔術的なヘヴィメタルというカテゴリの枠に収まる、王道の悪魔主義的サウンドを主張していて、今に到るまでそのポリシーは変わることなく貫かれているのも素晴らしい。だから聴いているとブラック・サバスやオジー・オズボーン、はたまたロニー・ジェイムズ・ディオ的な印象を強く持つ。ちょっと揺れる曲になってくるとユーライア・ヒープの雰囲気も感じるし、今の時代ではあまりここまで正当なへヴィメタルを聴く事も多くないので、傑出した存在ではある。軽さは無縁で、とにかくマルコ・ヒエタラのパワフルで重い歌声が魅力的だが、バックのバンドもツワモノ揃いで演奏は見事に上手いし聴いていて心地良い。「Gravity of Light」に弱点があるとすれば楽曲の良さ、ってところだろうか。いや、ちとマンネリ的と言うのかメリハリが少ないというのか、レベルは高いしグイグイと引っ張られるけど、途中からちょっと辛くなる。でも、多分若かったら大丈夫かも。それを結構な歳の人間が演奏しているって凄いよな。

 だから「Gravity of Light」の音の方は粘っこい~し重い~し、大音量で聴いていると凄くハマるんだ、これ。王者の風格ってのかな、揺るぎない自信が漲った作品で、さすがはマルコ・ヒエタラと言う雰囲気が良い。今更新しいものを…なんて人も多いけど、LAでRattやスコピが売れてる頃にフィンランドで同じような事をしていたバンドって見方するとちと変わるかも。そして今の時代でもしっかりとシーンを見据えて出してくる音ってのも才能か。いやはや流石にマルコ・ヒエタラさん、素晴らしい♪

 ん?今アマゾン見てて思ったが、これから発売なの?フィンランドでは3月頃にリリースされていたらしいけど…、自分もさっさと聴いたから今更何で?って感じ。その分世界レベルのリリースが予定されているってことだろうか。



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フレ
Posted byフレ

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