Judas Priest - Sad Wings of Destimy



2005年になり突如として復活したメタルゴッドと呼ばれるジューダス・プリーストだが、その来日公演も寝た子を起こす騒ぎとなり、その異名にヒケを取らない硬質なライブを披露したらしい。ジューダスと云うと何となく80年代のメタルの神様的なイメージがあって、もちろんアルバム「復讐の叫び」
が、やっぱり英国的ハードロックからの流れを踏襲していた初期のジューダスには全く別の美しい側面が存在しており、多分70年代中期をリアルで通った方にはそういうバンドとしての印象が強いんじゃないかな。ちょっと普通と違ったリフを奏でるバンド…、ま、ブラック・サバスとかあったからそうでもないか。で、英国ロック好きとしては最初期に完成された美しさと哀愁感とハードな面を兼ね添えた、そして展開にも拘った…でも歌がちょっと異常なくらいハイトーンみたいなヘンなバンドとして興味を抱いた。それが1975年発表の「運命の翼」
で、中味。初っ端は確かに今でも通じるヘヴィーなリフで展開していく疾走感有る曲で、さすがジューダス、この頃からこんなんだったんだなぁと感心。「The Ripper」ではイントロからエグいギター単音で始まって、オブリで入ってくるギターもメロディアスで良いね。で、このヘンからちょっと英国的なサウンドが入ってきて、「Dreamer Deciver」ってのがその象徴でさぁ、マイケル・シェンカーに負けないくらいのメロディアスな泣きの入ったギターソロがクライマックスを盛り上げてくれる秀作♪最後のロブの超超ハイトーンシャウトが人間業を超えているのも目玉かなぁ。B面に入ると「Prerude」から始まるんだけど、これってさ、普通こっちがA面じゃないのか?って思うんだが(笑)、まあバンドの印象の問題だろうな。続く「Tyrant」ってのが凄くポップな曲で、展開もたくさんあって面白いんだよな。なんか妙なコーラスバンドにもなってるし、今では決して聴けないジューダスの世界なんだけど結構良い路線。ウィッシュボーン・アッシュから始まったツインギターによる美しき旋律を奏でるバンドとしてこの頃は最も近い位置にいただけあってツインギターの要素もあるんだけど、もうちょっと派手にツインがあっても良かったのにな、とちょっと思うんだけどね。クリムゾンとは異なる「Epitaph」ってのもしっかりとそれらしい雰囲気の曲調で、これも以降の作品ではナカナカ聴けない作風だろうな。
そんな感じでメタルゴッドの異名を取るジューダスなんだけど、このセカンドアルバムは紛れもなく英国産ハードロック、プログレ的ハードの作品で、ある意味後のメタリカが創り上げた作風をこの時代に既に行っていたってことでもある。それよりも単純に英国産ロックとして聴くとやっぱ面白い音楽やってるよ。同時期のバンドに比べたら全然面白いもん。…って久々に聴いて思った(笑)。
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