Thin Lizzy - Thin Lizzy

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 何となくアイルランド…、アイルランドのメロディってどこかもの哀しくて胸に来る旋律なんだよね。気候の問題だろうか?いや、そんな事でアイルランドの伝承音楽から出てきたのでふとThin Lizzyを思い出してしまってさ。それもハードロックギンギンの頃ではなくって、最初期の思い切りアイルランドフォークな…フォークでもないけど、素朴な音世界を出していた頃のThin Lizzyって…、今なら分かりやすいかもしれん、ってことで早速引っ張り出してきました。

Thin Lizzy Shades of a Blue Orphanage

 1971年にリリースされた記念すべきThin Lizzyのファーストアルバム「Thin Lizzy」です。これがさぁ、昔は全然面白みを感じなくて聴かなかったんだよね。もっとも全盛期のThin Lizzyの音を知ってての後追いだったから余計に聴けなかったのもあったんだけど、つまらなかったもん。それでも名盤、って聞いていたりしたので何度か挑戦してたんだけどさ。だから印象としては別に悪いもんでもなくてきっと理解し切れない自分の問題だろう、とは思ってまして…、うん、結構控えめに考えていたんですよ、このアルバムに関しては。だから今回この流れで引っ張り出して聴けるってのはちょっと面白いし嬉しい。

 んで、嬉しいのは「Thin Lizzy」ってアルバムがこんなに面白かったのかってのをちゃんと理解したかも、ってトコ。あまりにも多種類の曲が散りばめられて入っているが故にアルバムとしては実に散漫な印象で、しかも音が薄っぺらいのでなかなかガツンと来るサウンドじゃないってのもある。それにフォーキーな楽曲がほとんどを占めているのでどうしたって湿った印象になってたんだな。ところがですね、ちゃんと聴いていると何とも変わらないフィル・リノット青年のクールながらも熱い魂が聞こえてくるんです。そこはもう全然変わらない人で、さすがです。さらにエリック・ベルのギターが凄い。こんなサウンディングの中で弾いているから目立たないのが多いけど、凄い技術で弾きまくってて、速弾きとはちょっと違うけど、どこかTen Years Afterのアルヴィン・リーみたいな凄さ。こんなにギター弾いてて、目立たないアルバムとか言っててスマンって云うかさ。しっかりハードロック的な音してるじゃないですか、と。でも凄くフォークな曲が良かったりもするし。

 「Return of the Farmer'S Son」は後々のThin Lizzyでプレイしててもおかしくないバリバリのハードロック調だし、そこでのエリック・ベルのギタープレイが見事。そんなのもあれば「Dublin」みたいな可愛くてきれいな小品もあって…、幅広い音楽性が網羅されているアルバムだった。ドラムのブライアン・ダウニーだって小技利きまくってるし。初期三枚のThin Lizzyの作品ってトリオ時代の地味なアルバムって思ってたけど、どこがどこが…、聴き方を変えてみるとすごくヘヴィーで面白い作品集です。気づくのが遅すぎたかもしれないけど、ちょっと楽しんでみようかな、と。




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フレ
Posted byフレ

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