Hedgehog Pie - The Green Lady

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The Green Lady

 1990年頃にマーキー社から発売された「ブリティッシュ・ロック集成」というマニアックな本があってですね、当時から結構これって重宝してそれまでも英国ロックを独自で漁っていたりしたんだけど、知らないのも多くってさ、それで結構欲深くなったんですよ(笑)。特に英国フォーク系ってのはまだまだ未着手の領域だったので、この本で結構目安になったし幅が広がった。その後その手の本もいくつか出てきたんだけど、何冊かは持ってて参考にしたりしてた。ただ、こういう本になっているのを読むととにかくすごいアルバムにしか見えなくてとにかく探しても手に入らないから余計に神々しくなってしまって見つけて買った時にはもうそれだけで満足という状況でして…うん、だから音を聴いて悪いハズがない、っていう先入観なんです。どこかにいいトコロがあって、気づかない自分が悪いんだ、みたいな(笑)。だから今でもわからないのがいっぱいあるんだよな…。多分、好みじゃないんだろうしそんなに傑作じゃないし、ただ珍しいだけというアルバムが多いんだと思う。だから故に少しでも良いところをここぞとばかりにクローズアップして本には書かれているので、余計に気になるという循環なのだな。

1975年にリリースされたHedgehog Pieの「The Green Lady」と言うアルバムなのだが、かれこれ20年くらい探しまくってて、アナログ時代には一度くらいは見かけたことあるしネット時代になってからはオークションやらなんやらで見かけることは結構出てきたんだけどね、やっぱりとんでもなく高いんですよ。なので見送りしてたりして結局聴けなかった。面白いことにCDになったことがないアルバムでさ、これぞ幻のバンドっつうくらいのまでCDになっているこの時代に全くその気配なし。いや、あったかもしれないけどなんでだろ?権利問題なんだろうな。カウンターフィット盤でも出たことないし…、そこまでのものでもないってことだろうが。

 そんなことなんだけどちょいと前にネットで入手しまして…、うん、20年間聴いてみたかったアルバムを初めて耳にすることが出来ました。YouTubeのアップロード音源を聴かずしてアルバム単位で聴きました。いや、感動だよね、こうして音が聴けるってのはさ。残念ながらレコードそのものはまだ入手していなくて単に音だけをもらったんだけど…、それでもまずは良い。まずその感動が嬉しかった。持ってる人は持ってるんだな、って。

 さて、じっくりと聴きましたよ、こいつは。それこそ久々に何回もリピートして聴いててさ、いや~、ファーストアルバム「Hedgehog Pie」の方が先に聴けたし、その印象が素晴らしかったのですごく期待してたもん。男女ボーカルでややプログレッシブな方向性もありつつも基本は素朴なエレクトリックトラッドベースのロックバンド。メロトロンとかフルートとか出てくるし、曲展開が確かに凝ってるのもあって名盤と言われるらしいんだな。音を聴いて、なるほど、確かにタイトル曲「The Green Lady」は様々な要素を詰め込んだ本当にプログレッシブなフォークロックという展開で面白い。女性の歌声ってのもあどけなくて良い感じだし、見事。アルバムを聴き始めた最初の方は男の歌声中心だったので「ん?」ってのがあったけど、徐々に味が出てくるアルバムの進み方かも。

 いや、躍動感も湿っぽさもドラマティックな展開も音色も可愛さもレア度も探す価値も見事にある大変美しいアイテム。ぜひこれからもまだ探し続けなければいけないアルバムだ…。CD紙ジャケで出してくれないかねぇ…。



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フレ
Posted byフレ

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