Fairport Convention - Full House

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 Jimmy PageにしてもRobert Plantにしても多分ジョンジーも英国のトラッドフォークの世界ってのはかなり好きな部類だったようで、もっともロバート・プラントはどっちかっつうとアメリカのシンガーソングライターのやってるフォーク系も好きだったようだけど、英国人的な部分はしっかりと吸収済みだし、90年代には自らFairport Conventionと一緒にプレイしているし、まぁ、やっぱりルーツでもある訳だ。ジミー・ペイジにしてもそもそもLed Zeppelinをロックバンドにするかフォークバンドにするかという葛藤もあったらしいし、なるほど自らのギターの腕前とプレイの自信はどちらでもイケるというところか。

フル・ハウス+5(紙ジャケット仕様) House Full : Live At The LA Troubadour
Fairport Convention - Full House Full House Fairport Convention - Liege and Lief Liege and Lief

一般的にFairport Conventionと言っても、まぁ知られてはいないだろう…。それでも英国トラッドフォークロックの世界では一番メジャーな部類のバンドでしてね、Led Zeppelinの「Led Zeppelin IV」での「The Battle of Evermore」での女性コーラス部分は丁度Fairport Convention全盛期のSandy Dennyがゲストで歌っているということなのですが、このSandy Dennyって何がスゴイの?ってのがもっと分かるバンドです。アルバム的には初期の数枚と復帰後少々しか参加してないので選ばないとアレなんだが、「Liege & Lief」などは傑作として神々しく輝いているので聴いてみる価値はもちろんあります。

 で、実は今回は「Liege & Lief」の次にリリースされた1970年のアルバムです。…が、ヒネたことにこの「フル・ハウス」にはSandy Dennyは参加してません。すでに脱退後なので女性歌声を期待していた方には残念な作品なんだけどね、いや、そもそもロックとしてはFairport Conventionというバンドの中では最高峰に位置するアルバムですよ。このメンツって一番すごいしライブ「House Full : Live At The LA Troubadour」を聴いてみるとその凄さがヒシヒシと伝わってくるもん。Sandy Dennyも単なるパーツの一部だった、というくらいにバンドが凄い。Led Zeppelinとは全く異なった方向性だけど普通のロックバンドなんて目じゃないくらいのプレイです。

 話をアルバム「フル・ハウス」に戻そう…。えっと…、トラッドフォークバンドではないです。エレクトリック満載で、言い換えると普通に民族色の強いロックバンドで、特徴的にはフィドルが目立っているのともちろんリチャード・トンプソンのなんとも言えない英国的なギターが素晴らしい。そうやって聴いているとデイブ・マタックスのドラムの重さや音ってのもなるほど、これは良いわ、ってことに気づくし、バンドのテンションの高さに驚く。一応バンドの看板でもあったSandy Dennyと音の主役だったアシュレー・ハッチングスが脱退してしまったので残ったメンバーがどこまで何を出来るのか、っていう踏ん張りの精神が見事に才能を開花させているよね。だからある意味一体化したメンバーの決意。それがそのまま聴き手に伝わってくるくらいに見事。

 ハードにグルーブする曲からしっとりと泣かせる曲、コーラスワークを楽しめるパートからフィドルの泣き声を楽しめるシーン、単に踊れるトラッドからの影響下の強いメロディ、何と言っても聴いていてワクワク、ウキウキと英国の緑の中でおどって楽しむ朗らかな姿がイメージできるってもんだ。トラッドってそういうもんでもないんだろうけど、とにかく傑作。リチャード・トンプソンのギターって掴みどころがなくて難しいけど、それがまたバンドの音にぴったりと合っていて見事なんだよな。追求すればするほど深いギターを弾く人。「フル・ハウス」はもう超名盤。ついでにライブの「House Full : Live At The LA Troubadour」も絶対おすすめ♪




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フレ
Posted byフレ

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