Frank Zappa - Weasels Ripped My Flesh


1970年にリリースされた「いたち野郎」。ネオン・パークというデザイナーによるアルバムジャケットで邦題「いたち野郎」がぴったりの素晴らしいアートワーク。この後リトル・フィートの一連のアルバムを書くこととなった人ですね。この頃はそのリトル・フィートを結成することとなるローウェル・ジョージもいるわけだからそりゃそうか、と。久々に引っ張り出して思ったのはまず、この「いたち野郎」ってマザーズ名義で出していたのか?ってこと。もう終わっていると思ってたけどアルバムにはしっかりと「The Mothers of Invention」って書かれているし…、まぁ、ザッパだけの作品ってもおかしくない出来映えだけど、多分マザーズの音を中心に編集しているからだろう。
うん、ザッパの手法はいつもの通り、ライブでのインプロや即席のパフォーマンスを編集したり、そこにスタジオで音を重ねたり作ったりして出来上がっているので、半分くらいは即席音。「いたち野郎」でそれは大いに実験していて、アチコチの時代を超越したライブを基に編集され追加されているという代物。おかげで軽快なポップスなどと言える曲は皆無でして…、冒頭からして強烈なインプロとアドリブと効果音で…ここのトコロ結構まともな音楽を聴いていたのでこういう前衛的な音に少々ついていくのが大変でした(笑)。いや、ついていくのが良いかどうかってのは別として、昔はこういう前衛的なのも結構普通にハマって聴いていたからさ、ここでちょっと脳がついていかなかったのに驚いた。やっぱ前衛的なのは辛いわ(笑)。
それでもですね、やっぱり軽さがあるのがザッパの面白いところ。下品さももちろんあるし歌詞を見ていれば全くもう、というのもあるけど、音のコラージュが繋ぎ合わされて「へ?」となるようなものも多数…、一体何がしたくてこういう音なんだろ?って思うくらいに前衛的。1970年だろ?一方では「Hot Rats」とか「Waka/Jawaka」とかリリースしているワケだからホントに天才なんだよ、ザッパって。完全に宇宙だもん(笑)。
ってなことで普通にザッパに手を出すのも良いし、「Uncle Meat」や「Waka/Jawaka」ってのを聴いてみるのも良いとは思うけど、「いたち野郎」に手を付けるのは多少世界観がわかってからじゃないと厳しいんじゃないかな。何聴いているのかわからなくなることもあるし、そもそも聴いている必要あるのか?と自問自答するから(笑)。この近辺の「バーント・ウィーニー・サンドウィッチ」とかもそんな類かね。でも、ジャケットとタイトルがセンス良くって、ブログ仲間にはそのまま「いたち野郎」ってハンドルネームの人もいるしさ(笑)。
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