The Doors - Morrison Hotel

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 ブルースに根ざしながらも独特の個性があまりにも前面に出てしまい、その後の音楽性に悩み低迷し傷付き息絶えたというのが相応しいバンドなのかもしれない。ザ・ドアーズ。とてもそんな風に思うこともなかったし、やはりキラキラとロックの歴史に燦然と輝いているバンド…とジム・モリソンなのだが、ひとつの流れで見ていくとそんな風にも見えるのかな、などと…。かなり好きなバンドで、若い頃から相当熱を入れて漁ってたりしたけどここのトコロは結構ご無沙汰だったんだよね。なので久々にこの流れで登場です。

モリソン・ホテル Live at the Aquarius Theatre: The First Performance
The Doors - Morrison Hotel (40th Anniversary Mixes) Morrison Hotel (40th Anniversary Mixes) The Doors - Live At the Matrix, 1967 Live At the Matrix, 1967

 1970年にリリースされた既に5枚目のオリジナル作品となる「モリソン・ホテル」。ここまでのドアーズというのはその実あまり伝わってきていなかったし今でも伝わり切れてないのかもしれないけど、最初期の圧倒的な歌詞と個性と幻想的なサウンドだけでは済まなくなってきていて、ライブではブルースのカバーソングも含めて相当ブルージーなバンドとして重ねてきているのだ。ところがジム・モリソンが圧倒的な存在感を出してしまったがためにそういう側面が薄れて見えていたんだな。いくつかのライブ盤を聴いてみるとわかるけど、もう完全にブルースバンドです。この「モリソン・ホテル」というアルバムがブルースに根ざした…と言うようなレビューもあるんだけど、そりゃそうだろ、と。元々ブルースバンドだったんだから今更何を、ってなもんだ。

 それでもかなり洗練されたものでね…、最初の「Roadhouse Blues」ですらツェッペリン的にかっこよいリフを持ってきたブルースロックナンバー。もっとも起伏に欠ける部分はあるんだけど、それもまたクールな雰囲気を出していてよろしいし、非常に好きですね。次は三枚目のアルバムタイトルともなりながら外れてしまった「Waiting For The Sun」…、確かにハズされてもしょうがないか、というような感じはあるけど悪くない幻想的なドアーズらしい出来映え。ブルースバンドとは思えないです(笑)。そしてライブでもひとつの盛り上がりになっている「You Make Me real」はもっとパンク的というような激しい作品でジム・モリソンらしさが出ている攻撃性のある曲で一気に聴ける。「Peace Flog」はもうギターでかえるの雰囲気をず~と出しながらもやっぱりブルース上がりのバンドというようなコード進行がそれらしくて面白い。かなり最初期に似てきた部分多いもん。それでも「The End」や「Light My Fire」みたいな奇跡はなかなか起きないんだな…。レベルは無茶苦茶高いよ。同時代のアメリカのバンドや英国のバンドと比べたってそりゃ凄いさ。「Ship of Fools」なんてかなり新しい試みだと思うし、こういう軽さが同居しているのもセカンド以降のドアーズらしいユニークさ。

 と、ここまでが「Hard Rock Cafe」と題されたA面だったのだ。以降は「モリソン・ホテル」と題されたB面。

 詩世界を強調している面で音楽性としてはなんとも不思議としか言えないのだが、「モリソン・ホテル」とは大層なタイトルを付けたものだ…。はて、「Land Ho!」こそドアーズらしい世界観だしジム・モリソンの世界か。もうちょっとフックがあればこれまでの名曲群と並ぶ物だが、惜しい。そんな世界観の延長に「The Spy」というものがある。ブルースというよりもジャズ的…これもドアーズらしい要素なんだろうけど、ジャズな世界と幻想的な美しさ…40年代のアメリカを想像させるような世界を醸し出すプロフェッショナル感。そして「Queen of The Highway」…、見事なアルバムB面の流れだ。正しく「モリソン・ホテル」と題されるに相応しいアルバムの展開。これもまた幻想的でどこへ行くのか不思議な旅立ちと言うような世界…、お手の物かのように収められている。更にその世界観は「Indian Summer」でより一層深められる。これぞ昔からのドアーズの音世界。掴み所がなく浮遊した音を耳にしながらただただその音に身を任せるのが得策か。こういう繊細さがアメリカのブルースバンドの模倣だけに留まらなかったアーティスティックな側面、見事に再生と新世界を提示した「モリソン・ホテル」…、実際にあるのなら一度は訪れてみたいまさしく幻想の中のホテル。

 何度となく聴いているしタイトルだけでも音が浮かぶくらいのアルバム「モリソン・ホテル」なんだけど、やっぱりこうして改めて聴いてみるとその凄さに驚き、感動する。まったくロックの名盤ってのは時と共に益々輝きを放っていくものなのだと感じるね。こういうのを何度も聴いていたから最近のは全然面白く聞こえないハズだ…。今では40周年記念盤ってのもあるみたいで何やら色々とレアなトラック入ってるみたい…iTunesでThe Doors - Morrison Hotel (40th Anniversary Mixes) Morrison Hotel (40th Anniversary Mixes)として置いてある…。



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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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LA MOSCA  

うん、このアルバムは俺も好きです。
確かに1stや2ndの頃のような衝撃はないかもしれないけど
別な良さが出てきたというか・・・。
それがブルース・フィーリングなのかもしれません。

「Waiting For The Sun」、悪くないというかとてもイイ!
と俺は思います(笑)
あと、そう、「Indian Summer」ね。おっしゃるとおり、初期っぽい。
サイコーだと思います。

2010/04/19 (Mon) 21:18 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>LA MOSCAさん

もうね、こんだけドアーズ聴いてると好き嫌い超えてくるからさ(笑)、とにかく理解しなきゃっていうのが先で…、そうすると好きになってるっつうか、より一層好きになるっつうかさ、ね、やっぱ良いね、こういう名盤ってのはさ。

2010/04/20 (Tue) 23:31 | EDIT | REPLY |   

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