Thin Lizzy - Jailbreak

ツインギターで70年代に名を馳せたアイルランドの雄、シン・リジィもブリティッシュハードロックの一角を担った重要なバンドで、スコット・ゴーハムとブライアン・ロバートソンの風貌は多くの女性ファンをも虜にしたと聞くくらいにルックスのバランスが良いのも人気の後押しだった面もあるだろう。もちろん女性陣の方がかっこ良いモノには敏感なので、遅れて男どもが密やかにかっこ良いよな…って思うバンドも多い。それはさておき、フィル・リノットの特徴有るベースのプレイとやたらと歌が上手いのもこのバンドのかっこ良さ。初期の3枚ではどちらかというとアイルランドの空気をそのまま持ち込んだ少々宙ぶらりんなロックバンドって云う感じだったが、エリック・ベル脱退後にツインギター体制となってからはハードロック路線に進み、超名盤「Jailbreak」
この「Jailbreak」
で、続いては初っ端からこれまた引っ掛かり甲斐のある特徴的なギターリフで始まり、更にこのギターリフが曲の後半でも大活躍するシンコペーションバリバリの「Warrior」…、多分ギタリストなら自然にコピーしたくなるだろうこの曲はギターソロも含めて完成されたハードロックな一曲。更に「The Boys Back In Town」が続くんだから素晴らしすぎる。軽快なシャッフルで快調に飛ばすこの曲は数多くのバンドにカバーされているのでご存じの方も多いだろう。ツインギターのソロが気持ち良いしねぇ…、実にアイルランド的なハードロックで、傑作だよ、これ絶対。この後は、カントリーチックな始まり方をする、この場合のカントリーとはアメリカじゃなくって地元のパブ的な、って意味合い。そんな音色が漂う「Cowboy Song」がフィルの歌と安っぽいアコギで始まって、もう何と云うのか前進あるのみ、みたいなリフが刻まれて、これもまたリジィ調の作品。サビのコーラスワークやツインギターの旋律もやっぱり凄い。脱帽。静と動が見事に描かれた作品で単なるハードロックと思ってはいけない、うん。そして更にダメ押しの最後の一曲、こいつがまた凄くて…、「Emerald」よ「エメラルド」。そういえば歌詞の意味も調べた事無いから何を歌っているのか知らないが、曲を聴くだけでもエメラルドみたいに輝いてる。これもアイルランド的な曲で、三連が上手く使われてて、曲の持つ旋律がアイルランド民謡のスケール進行。それを特徴付けているのもある。しかしブライアン・ダウニーのドラムは軽快でなかなか気持ちが良いのでシン・リジィサウンドの要になってる。そしてこの曲、やっぱり中間部ではギターだけになりツインギターの本領発揮とばかりに二人で掛け合いのギタフレーズを紡ぎ出す美しさ。これが何とも言えないくらいに盛り上がる。それで一気に二人してメインリフに戻ってきてオシマイ。かっちょ良い!
こんな楽しみが味わえるのはこのバンドしかないし、更に楽しむには1978年にリリースされた「Live And Dangerous」
- 関連記事
-
- Thin Lizzy - Black Rose: A Rock Legend
- Thin Lizzy - Jailbreak
- Thin Lizzy - Wiskey In the Jar