Nick Gravenites - My Labor
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随分昔の話だが、ブルースという世界を意識してレコードを探したり情報を漁ったりしている頃、既にジャニスやジミヘンからバターフィールド・ブルース・バンドへと進み、その周辺を漁っていたりする時に何かでブルースレコード特集みたいなのを見て、黒人ブルースはともかく白人ブルースで初めて聴く名前のレコードが紹介されていた。それがNick Gravenitesのアルバムだ。ジャケットも名前もしっかりと覚えて毎回レコードハントに出掛けるが見た事すらない。そもそも当時ブルースのレコードは見つけるのが難しくて、レコード屋にブルースコーナーはあまりなかったし、あってもホントの黒人ブルースばかりでホワイトブルースって括られ方がなかったから。だからロックから見てみたり西海岸系の所を探したりと割と大変だったが、今はアマゾンに名前入れれば良いのだから楽な時代だ。
そのNick Gravenitesの最初のソロ名義のアルバム「マイ・レイバー」を聴いたのは結局CD時代になってからしばらくしてからだ。CD時代になってもこんなのがCD化されるには相当時間がかかって、90年代終わりくらいかな。とにかくアメリカのホワイトブルースものでこんなに探さないといけなかったのはあまりない。それほど常に探していたワケでもないから大きな声でも言えないが。それが先日紙ジャケリマスターボーナストラック付きでリリースされたからキチンと入手するワケですよ、やっぱり。なぜなら「マイ・レイバー」に収録されているのは結局「永遠のフィルモア・ウェスト」の拡張盤で、兄弟ライブアルバムになっているから。要するに同じライブの録音を二つの名義とアルバムに分けてリリースされているので、どちらももちろん同じメンツによる同じライブからの違う楽曲郡の記録になってる。
1969年1月初頭のフィルモアのライブの模様を記録していてNick GravenitesはともかくギターにMike Bloomfieldだから。しかも1969年ってスーパーセッション時代だから完璧に全盛期。その頃のライブがオフィシャルでしっかりと残されているのだから探しまくった。感動です。聴いた時にはもうかなり時間経ってたけど感動。ブルームフィールドのギターのかっこ良さはいつもの事ながら感動的で、コチラの「マイ・レイバー」の方ではどの曲もNick Gravenitesの作曲したものを集めているので確かにソロアルバムとして成り立つが、それがもう生き生きとしてて。そりゃこんな凄いメンツでやっているし、シカゴとサンフランシスコを繋いでいた重要人物なだけあって人望は厚いです。ちなみにあまり知られてないけどこの辺のメンツはジャニスとの関連も割と深い。だからNick Gravenites作曲の「ブルースに葬られて」が「マイ・レイバー」にも入っているけどジャニスにあげたら歌入れの前に死んじゃったと言うお話。ブルームフィールドもジャニスのアルバムでギター弾いてるし。
しかしもう伸び伸びとギターを弾いているBloomfieldを聴いていると、仲間内で気楽にやっているのがありありと分かって、凄い演奏になっている。「マイ・レイバー」は「永遠のフィルモア・ウェスト」と共に聴くべき素晴らしきライブ盤。
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