Uriah Heep - Demons & Wizards

7 Comments

 美しき英国産ハードロックバンドのひとつにはもちろんユーライア・ヒープも登場すべきだろう。名作と呼ばれる作品がいくつかリリースされているんだけど、個人的に好きなのは「Demons & Wizards」かな。もちろん「Look At Yourself」も良いんだけど、最初に聴いたヒープの作品が「Demons & Wizards」だったのでとりあえずコチラ。

 デビューアルバムから二作目あたりまではどちらかというとヘヴィーなロックをひたすら演奏するバンドで英国的ではあるものの、まだまだパッとした華やかさはないものだったが前作「Look At Yourself」で新たな方向性を確立して、更に「Demons & Wizards」ではもうちょっとポップさを兼ね添えて、且つ英国的旋律の美しさが際立ってきた洗練されつつある過度期の様相が聴いて取れる。オープニングを飾る「Wizard」は正にブリティッシュと云う感じの音色がするアコースティックギターの美しきサウンドから始まり、センスの磨かれ方を感じるね。で、打って変わって2曲目「Traveller In Time」では冒頭のイントロからハードロック全開!と思いきや楽曲そのものは実に英国的な展開をいくつも持ったナイスな曲で、このリフ良いね。そしたらいきなりハードなリフの「Easy Livin'」が始まってさ、コレ、ものすごくヒープ的な曲で、いわゆるブギ調なんだけど全くハネない(笑)。正にヒープの特徴だよね。ケン・ヘンズレーの鍵盤がそうさせているのか単にハネるリズムをジャストに押さえているのかわかんないんだけど、とにかくどのヒープのアルバム聴いてもこういう曲調が必ず幾つか入っていて、ヒープらしさを出してる。んな曲調の中でもこの曲は特に好きだなぁ。なんつうか・・・ただひたすらクビを前に振るだけ、みたいな(笑)。そういうとこ、ヒープって男臭いバンドのひとつだと思う。

 4曲目「Poet's Justice」ではもうクィーンばりのコーラスワークから始まってさ、結構このバンドもウィッシュボーン・アッシュにしてもバークレイ・ジェイムス・ハーベストにしてもコーラスワークが美しいんだよな。これも英国ならではのセンスで良い。「Circle of Hands」はヒープのもう一つの側面を映し出したオルガンロックの代表的なサウンドで叙情性を持った作品。ベースもギターも鍵盤も歌も全てが調和したバランスの良い曲なので聴いていて感動を味わえるね。本作のレコード時代のB面に収録された曲はホント素晴らしい曲ばっかりでさ、でもB面だけ聴くと物足りないから結局A面から一気に聴くんだけど、よく出来てるよ、ホント。・・・とまあアレコレ書いているんだけど、やっぱりこのアルバムの良さを象徴しているのはラスト二曲「Paradise」「The Spell」でしょっ!バンド単位だけで演奏しているので荘厳さはないのが残念だけど、それでもしっかりと叙情性とスケールの大きさ、懐の広さをしっかりと提示しているし、もちろん英国的美しさも自然に表現されている素晴らしい出来映え。この二曲でヒープにハマったんだよな・・・。アルバム「Look At Yourself」に収録されている「July Morning」と共に惚れ惚れする楽曲郡。オーケストレーションとか入っていればもっと壮大なものになったんだろうけど、そうじゃないところがヒープ的でいいんだろうな。

 最近のCDではどうやらアレコレとボーナストラックも入っているみたいなのでリマスター音源というのも含めて買い直しても良いんだろうなぁ。ジャケットもロジャー・ディーン作できちんと中味をイメージするアートワークになってるしね。
関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 7

There are no comments yet.
papini  
このアルバム大好き!

このアルバム、ジャケも好き。
おまけにケン・ヘンズレーも好き(笑
「The wizard」もいいんだけど、アタシはやっぱり「Easy livin'」。

>ブギ調なのに全くハネない
>ただクビを前に振るだけ

ヒープはまさに、それでしょ?(笑

2006/03/24 (Fri) 10:47 | EDIT | REPLY |   
giantmacs  
またまた懐かしいですね~

「対自核」と「悪魔と魔法使い」の2枚は結構聞きました。勿論リアルタイムではなく、77年くらいだったかな。A3の「安息の日々」が好きでコピーしたりもしました。当時レコード会社はPurpleみたいに売り出したかったんだけど、大化けする事はなかったんですよね;結構気合いの入ったコピーをつけてたりしてた記憶はあるんだけど...。
私もあんまり追っかけなかったバンドだけど、このアルバムは名盤ですよね。

2006/03/24 (Fri) 20:32 | EDIT | REPLY |   
maeashi恵  
例によって

ほとんど知らないのですが、ロック・ザ・ルーツでちらっと見た時
「どこを見て歌ってるんだろう?」と思わせてくれる妙な雰囲気がありました。
(^。^)

2006/03/24 (Fri) 22:24 | EDIT | REPLY |   
フレ  
コメント感謝です

>papiniさん
やっぱり食いついた(笑)。嬉しいな。「Easy Livin'」ってアタマから離れないリフなんで、昔はヒープのあれ、こんなリフのヤツってなんだっけ?とか言って訊いてた(笑)。なんでだろうね、あの心地良さは。やっぱ正にソレ、だから!?

>giantmacsさん
やっぱその二枚が一番メジャーになるんでしょうね。確かにパープルみたいに派手に売り出そうとしていた意図はあったみたいですね…、残念ながら売り出しが下手だったってのがこのバンドの一番の不幸だったのかもしれません…。

>maeashi恵さん
お久♪ 何処見てって…そらアンタ、この時代の人はみんな目を閉じて歌うんですよ(笑)。さすがに視点が違ってて面白いね。

2006/03/25 (Sat) 23:04 | EDIT | REPLY |   
markunman  
TBありがとう!

TBありがとうね。初期でも対自核と次の悪魔と魔法使いでしたっけ?の2枚は最高傑作だと、私は思います。みんなもそうだと思うけどね。

2006/06/09 (Fri) 21:47 | EDIT | REPLY |   
コジ  
特徴的曲調

「Easy Livin'」ほんとヒープらしい曲でこういう感じの曲別のアルバムでも聴けますもんね。特徴的曲調とでも言うんでしょうか(すごく言いにくい言葉{笑})。
「リマスター音源というのも含めて買い直しても・・・」ほしい~。買おうかな。

2007/06/05 (Tue) 11:39 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>コジさん

ハネないヘヴィーなノリですね(笑)。ヒープってたまにハマるんで面白いっす。奏功しているウチに大体揃ってしまった、みたいな(笑)。

2007/06/06 (Wed) 21:13 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply

Trackbacks 7

Click to send a trackback(FC2 User)
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
  •  the gods「to samuel a son」
  • 初期、ハードロック時代のクイーンに大きな影響与えたバンドとして、ユーライア・ヒープが挙げられることが多いが、ハードロック/プログレの親玉的な存在として名高いこのバンドも、実は歴史はかなり古く、60年代からその前身バンド「The Gods」をケン・ヘンズレーが牽引し
  • 2006.04.06 (Thu) 14:34 | 4番、サード、いたち野郎。
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
  •  7月が終わる前に… Uriah Heap「Look at Yourself」
  • 最近授業が減ってきたので、生活の昼夜逆転があからさまなものになってきました…もう朝…7月も終わりですが、7月の朝に聴く「July morning」は格別です…。Look at Yourself以前にThe Godsの記事を書きましたが、その発展したものがこのモンスター・バンド、ユーライア・
  • 2006.07.29 (Sat) 15:22 | 4番、サード、いたち野郎。
この記事へのトラックバック
  •  Uriah Heep Vol.3 「LOOK AT YOURSELF」 by Ryu
  • さて、今回は彼らの代表作です。これが一番有名。邦題は「対自核」。そんな言葉、存在しないのに、なかなか言いを得て妙なタイトルになってます。例によってメンバーチェンジが発生してて、ドラマーがキース・ベイカーからイアン・クラークに変ってます。イアン・クラークは
  • 2006.08.30 (Wed) 01:41 | Melogress コラム
この記事へのトラックバック
  •  メジャーどころ、なのか?
  • どうもね、最近マイナーなものばかり聴いているせいかそういうものばかりになりがち。あ、でもフラキンはマイナーじゃない。とか思いたい(笑フォルムラ トレとかもマイナーじゃない。とか思いたい(笑いいじゃん。個人的にはメジャーだと思う。そう思わせてよ。頼むから。
  • 2007.01.22 (Mon) 10:35 | Trapo de la eternidad
この記事へのトラックバック
  •  Uriah Heep /Demons and Wizards -- Fallien Angel & Member List
  • Uriah HeepのThe Wizardが何故か途中から脳内で Rolling Stonesの Angie になってしまうUriah Heep - best choseにヒープのマイベストを紹介しましたが、JTTSCSKHさんより、「初期のはよく聴いたけどその後の変化していったヒープは聴いたことがないのでお勧めを~」とリク
  • 2007.06.12 (Tue) 01:05 | kisatonomori blog