Barclay James Harvest - Once Again

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 英国的荘厳さを兼ね添えたロックバンドはそれほど多くない。もちろんクリムゾンやイエスのような大御所が君臨しているおかげで英国の雰囲気はしっかりと世間に知れ渡っているんだけど、Wishbone Ashのようなハードロックの領域でその美しさを主張しているバンドはあまり見受けられない。そして本日はストーンズ来日公演初日なのに東京ドームには間に合わず、すごすごと帰宅の最中に聴いていた同じように荘厳さを兼ね添えたバンドを聴いてきた。

「Barclay James Harvest」

 人の名前とレーベルの名前ではなくって、れっきとしたバンドの名前です。キャリアも相当長くて多分アルバムも十数枚リリースしているハズ。途中で追っかけなくなったから知らないんだけど…。1970年にアルバム「Barclay James Harvest」でデビュー。後にトレードマークともなる美しきオーケストレーションと叙情的な楽曲は片鱗を見せているもののまだまだ軽めの楽曲が多くて、やはりデビューアルバム、と言った感じの作品。もちろん今後を語る上では重要な一枚だけど、やっぱり何と云ってもセカンドアルバム「Once Again」の出来映えには敵わんだろう。日本人だったらみんなこういう演歌チックな…否、叙情的な作品って好きだと思う。知らない人のために書いておくと、このバンド、基本的に4人編成でギター、ベース、鍵盤の3人が歌も歌い、しかも上手いので何かと器用なバンドで、しかもオーケストラを入れるのが上手くて、後にその道のプロと呼ばれる人の実験台にもなってるくらいオーケストレーションの素晴らしさを取り入れられている。後にリリースされたライブ盤ではしっかりと4人で演奏しているとこが聴けて、これもまた名盤とも呼べる作品なので好きなんだけどね。

 話を戻して…、そんなバンドなのでもちろんプログレのジャンルに括られることが多いし、当然なのかもしれないんだがWishbone Ashを聴いた後には実に同系統の心地良さが広がるんだな。特に「She Said」と「Mocking Bird」が最高。それ以外の曲も同じように叙情的で素晴らしいんだけど、何てったってこの二曲がずば抜けて美しい。曲の構成もストリングスの音色も歌声もコーラスも…、そして何よりもギターソロの美しさと華麗なるメロディーライン、そしてとってもエモーショナルなチョーキングやピッキングでの表現がビシバシと響いてくるので実にハマりやすい。ブルースじゃないポール・コゾフみたいなエモーショナルギターって言い方が分かりやすいかな…、いや、それくらい素晴らしいギターソロなので聴くべし、って感じ。曲の構成とアレンジ、疾走感とかそういうのも全部完璧に出来ててさぁ…。英国なんだなぁとつくづく思う。ライブ盤と合わせてもうハマりまくる名盤です♪

  ちなみに中期くらいの作品が4月末に紙ジャケでリリースされるらしい。初期の作品は今はジャケ違いのシリーズでリリースされているけどちょっと興を削ぐよなぁ…、やっぱダブルジャケットのアナログか、これこそ紙ジャケをリリースすべきだろう。

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フレ
Posted byフレ

Comments 6

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いたち野郎  

she saidのギターにはやられますね。荘厳だけれど案外肩の凝らない作品だと思っとります。
そうなんです。現行のCDジャケがよくないんですよねぇ。ワタクシも是非紙ジャケでの再現願います。。

2006/03/23 (Thu) 02:27 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>いたち野郎さん

そうなんです、結構普通に聴けてしまうのでここで登場させたのですがなかなか反応が難しかったようです(笑)。

2006/03/25 (Sat) 22:46 | EDIT | REPLY |   
Cottonwoodhill  

自分のブログでも書きましたが、ハーヴェスト時代の作品の紙ジャケ化を望みます。

2006/03/26 (Sun) 20:40 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>Cottonwoodhillさん

ですね。これこそ紙ジャケの意味が十分にありそうですもん。アナログ時代って再発が一回くらいしかなかったんじゃないでしょうか?

2006/03/26 (Sun) 21:36 | EDIT | REPLY |   
いたち野郎  

あれ?自分で前にもこのアルバムで書いているのに今気づきました(笑)
久しぶりに聴いたんですが、英国らしい叙情さが染み渡りました。

このエントリーのときは2006年でまだ未紙ジャケ化でしたが(エントリ中で話のタネになってますね)、それから二年経ってようやくハーヴェスト期も紙ジャケ化したんですねぇ…

2009/06/05 (Fri) 02:37 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>いたち野郎さん

いやぁ、よくあるコトです、そういう感覚(笑)。
そういえば、紙ジャケ化されましたねぇ。嬉しいことです♪

2009/06/07 (Sun) 09:32 | EDIT | REPLY |   

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  •  barclay james harvest「once again」
  • 昨日まで三日続けてビートグループだったのに、突然プログレ…目移りしやすい声質なので、すいませ~ん。1970年のデビューから、現在でも精力的な活動を続けているBJH(barclay james harvest)は、当然発表してきたアルバムの数もかなりのものなんですが、EMI傘下の
  • 2006.03.23 (Thu) 02:24 | 4番、サード、いたち野郎。
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  • 2009.06.05 (Fri) 02:33 | 4番、サード、 いたち野郎