Montrose - Montrose

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 70年初頭のアメリカンロックと言えば、まだまだ往年のアメリカの文化と空気を背負っているバンドが多く、ウェストコーストサウンドなどと言ってもてはやされたものがある程度。GFRが頑張ってはいたものの、カラッとしたアメリカンなサウンドをベースとしていた事に変わりはなく、ひとつのアメリカンロックだった。現代に通じるアメリカンハードロックの基礎を築き上げたのはもしかしたらマウンテンでもなくGFRでもなくモントローズだったのかもしれない。

Montrose The Very Best of Montrose

 1973年にリリースされたモントローズのデビュー作「Montrose」を一度聴いてみるとその革新的な音に驚くことだろう。後のアメリカンハードロックの基礎となるべく歪んだギターサウンドによるリフを中心とした楽曲が展開されている。ここで聴けるロックはそれまでのアメリカンロックの土臭い雰囲気とは全く異なったもので、土臭さがほぼ皆無に仕上げられ、カラッとしたバンドサウンドこそアメリカンと言った感じ。そして、曲やバンドの音そのものは英国ロックをベースとしたものに仕上がっている。後にアメリカンハードロックと呼ばれる原型だ。

 ギタリスト兼リーダーのロニー・モントローズはここに至るまでにはエドガー・ウィンター・グループでギターを弾いていたり、ヴァン・モリソンと一緒にやっていたりとキャリアは豊富だったがようやく自分のやりたい音を追求できたという渾身のアルバムだったワケだ。プロデュースには後にヒットを放つテッド・テンプルマンを迎えて…言うならばKissやエアロスミスやVan Halenと同じスタートを切っていたって事だ。しかしなぜか早すぎたハードロッカーと云うのがあったのか、それほど大成はしなかったみたいで…。

 今語られるのはボーカルのサミー・ヘイガーがメジャーシーンに出てきた最初のバンドとアルバム、という点と、せいぜいデニー・カーマッシと言う後にザ・ハートに参加し、更にCoverdale Pageプロジェクトに参加しているという印象がある有名人が在籍していたというところだ。そんな人脈からでもこのモントローズのファースト「Montrose」に辿り着いてくれれば多分楽しめるご機嫌な音に取り憑かれる人もいるのじゃないだろうか?ちと古臭いけど相当ハードロックしてて面白い。





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フレ
Posted byフレ

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zagan  
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ある日のレコード屋さんでの会話
zagan:「モントローズってどう?」
お店の人:「あんたにゃ向かん(キパ」
という会話で買わなかったグループです。
80年代後半になって、買った記憶が。
典型的なアメリカンハードのグループでしたね。

2010/03/17 (Wed) 12:57 | EDIT | REPLY |   
ひで  

モントローズ、最初の二枚は特に好きです。
サミー・ヘイガーのボーカル、良いですよね。
振り返ってみるとこの時期はアメリカン・ハードロックにとって大きな変革の時期だったんだなぁ~と、このアルバムなんか聴いてると思いますね。

2010/03/20 (Sat) 14:44 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>こちらも感謝♪

>zaganさん
店員さん、よくわかってらっしゃる(笑)。
聴いてみると良かったじゃないか、となるけどそこに至るまでの時間と経験ってのがあるが故に聴ける、みたいなトコでしょうかね。ちと物足りないのはありますが…。

>ひでさん
サミー・ヘイガーの歌も当然ながらこの時期のアメリカンなロッカー達がハードロックを如何にやるか、みたいなのを方向付けたバンドなのかな、なんて思います。そういう意味では圧倒的に早い登場でしたが。

2010/03/21 (Sun) 07:26 | EDIT | REPLY |   

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