Wishbone Ash - Argus

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たまにはド真ん中の名盤を切ってみようかな(笑)。いや、ちょっと前から結構ハマって聴いていたんだけどなかなか登場する機会がなかったので、今なら良いかな、ってことでベタではあるんですが70年代英国ロックの中でもツインギターの雄と言えばWishbone Ash
アルバムとして完璧に確立した、そして英国ロックの中でも燦然と輝きを放っている名盤中の名盤「Argus」。まずアルバムジャケットに見惚れてしまうことだろう。表ジャケットには兜の鎧を身につけた勇者アーガスが手に槍を持ち、まっすぐ前を見据えている…、その先は実はレコードだと見開きジャケットの裏ジャケになっていて、そこにはU.F.Oが描かれているんだよ。う~ん、幻想的というか何というのか、ただ、アルバム全体を聴いた印象はこのジャケットと見事にシンクロしている感じがするので、アルバムジャケットの役割をしっかりと果たしている。もちろんジャケットはヒプノシスの作品♪ そして中味の方だが、アルバム全曲捨て曲なし。オープニングを飾る「Time Was」…冒頭のアコースティックギターによるアルペジオの音色、雰囲気とも英国ロックでしかあり得ないサウンドをきっちりと出していて、更に英国的メロディとコーラスでたっぷりと叙情的な雰囲気を醸し出していき、センスのある落ち着いたロック調のリズムへと変化し曲を進めていくがそれだけでは終わらない…まだまだリズムは変化していき、それに伴い売りであるギターがどんどんサウンドを変えていくのも面白いし、恐らく当時から唯一無二のサウンドメイカーだろう。そして続く「Sometime World」は正にアッシュの全てが詰め込まれていると勝手に思っている名曲中の名曲…、美しきメロディーと洗練されたギターとドラムサウンドによりドラマティックに曲が構築されていき、楽曲の途中では奥底からハードなリフが流れてきて踊るベースラインによる一大叙情詩が開幕されてアッシュ独特の音世界へ突入…、後半のギターソロの美しさも堪らん。続いての「Blowin' Free」は軽めのシャッフルが基調となったサウンドでメロディーやコーラスの美しさはアッシュ的なんだけどね、ブルースチックなギターに挑戦している姿があまり好きではない。ただ、ファンには人気のある曲でライブの定番曲なのでバカにはできないんだけどさ。
ま、それよりもB面のオープニングを飾る「The King Will Come」でしょう。ツインギターとは何ぞや、解:この曲を聴け、だな。何も言うことのない名曲中の名曲、美しさや完成度、音色、アレンジ、どれを取っても最高に作られた楽曲の一つですが、やっぱりギターによる曲の隙間に入ってくるメロディープレイが素晴らしくって、曲の一部になっている。そのままソロに入るのでやっぱり曲の一部としてソロも含めて完璧に出来上がった作品としてしか聴けないでしょう。ギタリスト諸氏、コピーすべし。うむ。次の「Leaf And Stream」は息抜きの作品になってしまいがちなんですが、もちろん自分もそうです(笑)。だってさ、その次が「Warrior」なんだもん。先の「The King Will Come」にも匹敵する完璧な楽曲で、これも最高の一曲なワケだ。ツインギターってのも含めて、美しさと壮大さ、アルバムジャケットに象徴されるスケールの大きなイメージはこの曲で完成を見るっていう感じですね。聖歌にも聞こえるコーラスの荘厳さとエモーショナルなギター…、あかん、いくら書いても書ききれない素晴らしさが有りすぎる(笑)。聴いたことない人いたら、絶対損してるだろうなって思う。あ、最後の「Throw Down The Sword」も言うことないです。もう完璧…、これが全てっていうくらいに凝縮された作品。
名盤過ぎて書くことなくなってしまったんだけど、最初に聴いた時には「ん?」って感じでパンチがないんじゃないのかな、って思ったのでそんなにハマり込まなかったんだけど他のアルバムなども聴いているウチに英国的美しさにハマっていったパターン。もちろんギターの華麗さも十分に惹き付けられる要因ではあったんだけど、プレイする側になるとこういうの=ツインギターユニゾンで、ってのはまず考えられないのでそっちからすると聴かなくても良かったんだけどさ、それはもちろんリスナーとしたら聴くでしょ。そうしてプログレなんかにも平気でハマっていったんだけど…、しかし惹き付けて放さないアルバムってあるんですよ。そしてこのArgusは正にその一枚だね。
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