Night Ranger - Dawn Patrol

80年代の煌びやかなギターヒーローはたくさんいたよなぁ~という気がしたけど時代を超えて数えてみるとそれほど多くはなかったのか…と。いや、記憶に残っているのを数えてみると、って意味で。何となく懐かしさと、実際どんなんだっけ?ってのを併せて聴き直しているとそんなもんだっけ?みたいな。いや、テクじゃなくってバンドの数。多分ほとんど忘れ去っているというか、当時は一気に広い海が見えてしまったので掴み切れなかったし、一回りしてみるとそんなもんか、という大人の余裕なのかもしれん。
ナイト・レンジャーのデビューアルバム「Dawn Patrol」。1982年のリリースって言うからもう30年近く前のアルバム。ここで聴けるジェフ・ワトソンとブラッド・ギルズのギタープレイは見事なものです。美しい音色とトリッキーなプレイを聴かせてくれるので特徴的。そしてナイト・レンジャーというバンドそのものも今となっては特にヘヴィメタルってんじゃなくってさ、どっちかっつうとAORだもんな(笑)。バンドの印象がHM系で、音もそういう音色が多いんだけどメロディとか爽やかさとか軽さってのはもうAORだよ、これ。だから聴きやすかったのかもしれない。以降のナイト・レンジャーってバラードバンドみたいになっちゃったけど、「Dawn Patrol」とかセカンドの「Midnight Madness」なんてのはもう凄い軽快なアメリカンらしいハードロックを基調としたよくできた楽曲の嵐でよろしいです。
「Dawn Patrol」ならば何と言っても最初の「Don't Tell Me You Love Me」の軽やかさとキメ、そしてギターソロの華麗さが圧倒的。ギターソロについてはどの曲でもこれ見よがしに早弾きが堪能できて、ピッタリとハマっているからやはりプロらしい音は素晴らしい。ジャック・ブレイズの声もまた爽やかでねぇ…。その流れから「Sing Me Away」という爽やかな曲へと繋がってナイト・レンジャーらしさを確立。見事。バラードバンドの名誉はアルバム「Dawn Patrol」でもアピールしていて、この頃はシングルにはならなかった「Call My Name」というこれもまた素晴らしく良い曲を収録。全くこうやって聴いていると産業ロックと大して変わらなかったのかと思ってしまうが…。そしてA面最後のちょっとだけ雰囲気が壮大で大げさなロックチューンでもある「Eddie's Comin' Out Tonight」もギターの始まりがかっこよくってマイナー調なところがよろしい。これも好きだったわ。
A面の良さに比べてB面はそれほどの出来映えでもなかったので、当時はアナログでA面ばかり聴いてた。んで、今超久々にB面も聴いてみて、構成レベルやコーラスレベル、楽曲レベルも高いじゃないですか。CD時代になってアルバムを通して聴くなら非常に聴きやすい曲が詰まっていると思ったワケです。なるほど、一足時代の先に進んでいたんだ、ナイト・レンジャーって。いや、ちょっとびっくりしてしまった。ギターもかなり弾きまくっているのでもっと評価高くてもよかったのにな、自分。そんなこともあるのでイロイロと再度聴き直していると面白いです。
いずれにしてもアルバムジャケットもかなりクールなセンスだし、誰からも嫌われないであろう音の作り方も見事だし、更に言えばランディ・ローズ亡き後のオジー・オズボーンのバンドでのギタリストを務めたブラッド・ギルズのギターという宣伝文句もあり、バブリーな時代の音だけど楽しめます♪
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