The Steeler - The Steeler

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 LAメタルってのはシーンを代表するメタルのひとつのジャンルという意味で使われるようでして、まぁ、そりゃ皆が皆LA出身のバンドってワケじゃないわな。これもまたちゃんと調べたこともなかったので何となくのバンドしか知らなかったんだが、このSteelerまでもがLAメタル勢のバンドってのは知らなかった。その筋ではかなり鳴らした存在だったらしいが、それもまた皆ギタリストを見に来ていたからだろうという話…。

Steeler Van Halen

 1983年リリースのSteeler唯一のスタジオ正式アルバム「Steeler」です。ジャケットはどこかで見たことあるような…と一瞬考えてみるとおわかりのように、ヴァン・ヘイレンのファースト「Van Halen」と全く同じです(笑)。まぁ、そのヘンはイングヴェイをヴァン・ヘイレンと同様のギターヒーローに仕立て上げたいという売り側の意向でしょう。当のイングヴェイはとにかくアメリカに出て何とかしたいという一心で、ワケもわからずにバンドに加入させられてしまっただけなので何も言うことはないっていう感じらしい。それでも無心に弾いているギターのエッジの鋭さとラフさはさすが。あちこちの評論なんかも読んでみると中心メンバーのロン・キールはどうでもよくってやっぱりイングヴェイのギターを聴くための作品とあるが…、それは事実なのも確かでして(笑)、いや、それでも割とシャープでかっこよくキメたいというロン・キールの想いが溢れたアルバムですよ。イングヴェイが弾くLAメタルってこんなんです、って方が面白いんじゃないかな、今となっては。

 楽曲の制作にはほとんど関わっていなかったというイングヴェイの弁なので、アルバム自体はやっぱりロン・キールの作風だろうけど、それでも何曲かは圧倒的にギターフレーズが耳に付くものが多い。そういうのはもう何だこれ?っていう新世代ギタリストに触れる楽しみがある。クラシカルというのかハーモニックマイナー調と云うのか、マイルド音が一瞬に16個くらい入っているという独特のセンスはスウェーデン人ならではの繊細さからなのか…。ヴァン・ヘイレンだってオランダ人だし、アメリカの文化は外人が支えているってのもあるんじゃないか?ジミヘンはアメリカでは初期は成功していなかったから英国で人気出たし…。

 しかしまぁ、ここまでギター弾きますか、というくらいに好き勝手にギターを弾いている「Steeler」を聴いていると心地良ささえ感じる…ってかよく弾いてる。それでもちゃんとアコースティックの美しさやアルペジオ、フラメンコ的アプローチなんてのもしっかり弾いているので正にミュージシャン。LAメタル界隈でブルースの影も形もなく、クラシックの影響が大きい人ってのは多くなかっただろうからやはり異質。しかし、これで楽曲レベルが高ければもっと良かったんだが、やはりここまでのバンドではあった。そしてイングヴェイは多数のバンドに勧誘されることとなるのだった…。



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フレ
Posted byフレ

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