W.A.S.P - The Last Command

2 Comments
 はて、これまでLA…と言うかアメリカのメタルシーンについてはもちろん聴いてはいたけど、人脈やファミリートゥリーなんてのは全く気にした事がなく、一過性のものとして捉えていた。当たり前だがそれはもう人脈がアチコチに繋がっている世界だったんだな、と。当たり前と言えば当たり前で、それが故に皆LA周辺に集まってきていたバンド連中なんだからさ。そんなことで、キワモノ扱いされていただけでは評価が勿体なかったW.A.S.Pです♪

The Last Command Inside the Electric Circus

 1985年リリースのセカンドアルバム「The Last Command」でして、まぁ、絶頂期の作品ではあるのでアルバム単位で適度にキャッチーで覚えやすい曲がオンパレード。それでも最初のバンドの野獣性というインパクトがあったので音が軽いと言われたりポップだと言われることはなかったんだろう。冷静に音だけを聴けばそんなにヘヴィでもないんだけど、歌はやっぱ野獣的だな。当時はメンバーが替わってたなんて全然知らずに聴いていた記憶があるが、改めて聴き直してみて、結構面白くてよく考えられた曲が多いんじゃないか?と。それにイメージを壊さないように野獣的に見せかけて歌っていたり…、うん、なるほど。レベルが高いアルバムで、どこか陰鬱な面もあるのは何故だ?主役のブラッキー・ローレスが英国ロック好きなのが反映されているのだろうか?結構アメリカ人にしては変わった繊細さを感じる曲調が多い。こんなナリしてても。だから後に「The Crimson Idol」というコンセプトアルバムを創り上げた時には圧倒的に高評価だったもん。そういう人なんだろう。

 はて、そのW.A.S.Pのブラッキー・ローレスの来歴が面白くて、不良少年で軍隊に入っても無茶苦茶で、その後何故かギター弾きになったらジョニー・サンダース脱退後のニューヨーク・ドールズに参加していたらしい。1975年頃なんだろうと思う。んで、ドールズ解散して、アーサー・ケインとNYからLAに移ってロンドンっつうバンドを始めるワケだが…、ここでアーサー・ケインはNYに戻ってしまったらしく、ベーシストにはモトリー・クルーのニッキー・シックスが加入。だからこの辺は知り合いが多いらしい。ちなみにこのロンドンっつうバンドはその後にガンズ&ローゼスのスラッシュも参加してたりしてて、やたらとメジャーな人物の登竜門みたいなバンドだったらしい。そんな来歴なのでブラッキー・ローレスって結構歳取ってからのブレイクだったようだ。

 そのブラッキー・ローレスがベーシストとしてデビューしていたのは直前にベーシストがあのイングヴェイを輩出したスティーラーに移ってしまったからでして、また三枚目のアルバム「Inside the Electric Circus」では逆に元々スティーラーに在籍していたロン・キールを迎えていたりするワケで、そんな関係もなかなか幅が広かったりする。う~ん、人脈で辿るLAメタルなんて考えた事なかったが、なかなかどうして…ってトコか。しかしこの「The Last Command」というアルバム、本当にアメリカらしくない雰囲気があるのが面白いので、見かけを無視して聴いてみるとちょっと心地良いかも。



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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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じょあ  
はじめまして

はじめまして。このブログすごく勉強になります。

私、LAメタル(と、それらに関連するヘアメタル)大好きなもので、
一連の記事大変面白く読ませていただきました。

また寄らせていただきます。

2010/02/05 (Fri) 22:45 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>じょあさん

いや~、ブログ拝見しましたが、色々あって面白いっすね。
こちらもアレコレ書いているので遊びに来て下さい。聴くモノは常に変化しているのでここに登場するのも結構流れで変わりますが(笑)。

2010/02/06 (Sat) 08:11 | EDIT | REPLY |   

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