Echoterra - The Law of One

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The Law of One

 ゴシックメタルやシンフォニックメタルの世界ではどうしてもヨーロッパが圧倒的に進んでいてレベルも高いし素晴らしいバンドやシンガーが多数輩出されているのだが、文化的な意味合いからか日本はともかく英国でもそれほど数多くはメジャーシーンに出てきてないし、アメリカではエヴァネッセンスくらいのもので、それほどヨーロッパの底辺に流れている陰鬱さを反映したゴシックメタル、シンフォニックメタルというものを打ち出したサウンドを奏でるバンドは皆無に等しかった。大国アメリカには珍しいコトではあるが…。

 そんな中、ようやく少しだけヨーロッパの世界に近づいた感のあるバンドが2009年9月にアルバムデビュー、バンド名はEchoterraと言う。アルバムは「The Law of One」という作品でして、序章から始まるという、何となくそれらしい雰囲気を背負ったムードがなかなかよろしい。ジャケットはちょっと子供っぽい気もするが、まぁ、良いでしょう。Echoterraは基本アメリカ人だが、ボーカルは何故かスウェーデンのお嬢様が艶めかしい声を聴かせてくれるというバンドで、このボーカルだけが妙にヨーロッパ的雰囲気を強めている気がする。

 「The Law of One」の音は、ゴシックという感じではなく、ちょっともの哀しい世界を背負ったハードロックと云う感じだけど、かなり雰囲気はヨーロッパに近いものを出していてなかなか面白い。それでいて深みや憂い、メランコリックさや壮大さは無いのが不思議だが、それこそアメリカならではかもしれない。曲によっては面白いアレンジも施されていて、途中でエレクトリックダンスのようなアレンジが入っていたり、かと思えばピアノが美しく流れる中で歌い上げる雰囲気を優先した曲もあったりする。楽曲のバリエーションはかなりのものがあって、アルバムとしては飽きない作りになってる。

 好意的に聴くならば、こういう雰囲気を持っていながら重くならずに聴けるハードなサウンドってのはアメリカにしか出来ないだろうから貴重。EchoterraはEchoterraで「The Law of One」を引っ提げて唯一無二の音世界を紡ぎ上げていると言えよう。まぁ、敢えて批判的に言うならば、そういう世界ってのはどうにも中途半端だからどうせ聴くなら本場のが面白いし深いよ、ってことだが…。ただ、聴いてみるとほぉ~となる雰囲気はあるからこういったトコロから入っていくファンってのはありかな、と。男女ボーカルでデス声じゃないオトコの声だから割とよろしい。しかしこのお嬢の歌声、やっぱりヨーロッパ的です…。



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フレ
Posted byフレ

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