Steel Panther - Feel The Steel
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確信犯的に80年代のメタルシーンを愛するがゆえにオマージュを捧げているバンド…っつうかプロジェクトっつうか、ってのもある。そういうのはやっぱりアメリカが上手くて、フランスにもそんなバンドがあるが、まだ聴けていないのでまずは2009年に多少話題となって日本にも来日したスティール・パンサー。ラウドパークにも来ていたってことなので多分2回も来日公演したんじゃないかな。
全くアメリカらしいお下劣なアプローチと確かなテクニックで痛烈な批判とブラックなユーモアを含めて出来上がったアルバムが「鋼鉄の女豹」だ。次があるのかどうか知らないが、話題性は十分にあって、とにかく反響は凄かったようだ。出た頃から知ってはいたんだけど、なかなかレビューするまでに至らず、何となく流れ的に良いかなってことで今回登場。
とにかく歌詞に注目ですよ。最初から凄い。メタルを愛するが故に他の音楽なんて死んでしまえ、みたいなのが実名入りで出てくる「鋼鉄の女豹」が最高。全てその通りとは言わないが、少なくとも生粋のロック好きな人は同感同感ってのが多いんじゃないだろうか?メタル好きにしてみれば全く同感だろう。楽しみ方は色々あるもののやっぱり本質的にはロックが一番なんだよ、っていうのがわかる。楽曲ももうテクニック全開で非の打ち所がないものだし、リフもさすがです。そして80年代風エッセンスはたっぷりとふりかけらたアレンジ。う~ん、こういうのはアメリカ上手いわ。そんでもってほとんどの曲が誰かの何かをどれくらい混ぜ合わせた、っつうような印象を受けるものばかりで、ウェブサイト上では誰の何の曲からの影響かを書き連ねているトコロもあってなるほど、面白い、と納得する曲も多い。確かにね…、そうそう、と笑えること必至です。
ただ、やっぱり冗談っぽさが強く出過ぎていてWig Wamとかの愛情とは異なるかな…。何というのかこき下ろして楽しむ、みたいなのはアメリカだが敬愛して捧げるというのがヨーロッパ、っつうか。面白いからいいけど。そしてこのSteel Pantherの姿形はもうモトリー・クルーですね。一番ど派手な頃のモトリー・クルーがヘビメタの代表的な姿なのだろう。メンツは元FIGHTやLA GUNSのメンツもいるようで、やっぱ好きなのが集まってる。
フツ~にオリジナルなバンドとして聴くと、それはもうキャッチーでヘヴィーで聴きやすいバンドなので、決して80年代メタルの焼き直しっていうだけで聴くのは勿体ないかもしれない。鍵盤も上手く使って楽曲に幅を持たせていたりリフそのものは90年代以降の作り方を試していたりするので、結構冗談とは言えども考え抜いている面はあるもん。だから凄く楽しいんじゃないかな、と。ちょっと直接的すぎるのはアメリカならでは。
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