Nicky Hopkins - The Tin Man Was A Dreamer

8 Comments

 ミック・テイラーに関してまだまだ未熟者というのを曝け出してしまっているにも関わらずまだ続きます(笑)。・・・っつうかもっと前に書きたかったんだけどなかなかタイミングが合わなかったのでようやく今回書けるなぁと思っているのがニッキー・ホプキンス。60年代英国ロックを語る上で実に貴重な働きをしている人でして、セッション参加バンドは数知れず、そんな中でも有名な仕事としてはストーンズ、フー、キンクス、ジェフ・ベック・グループなどなど今では名だたるバンドのアルバムで鍵盤弾きと云ったらこの人しかいないんじゃないのかと思うくらいにアチコチで名前を見かける人ですね。あんまり細かいバイオグラフィーなんかは全然知らないんだけど、そんな印象で結構一目置いて見てしまう人です。その昔ジミー・ペイジがどんなバンドのセッションでもギターを弾いていたと言われるくらいのスタジオギタリストだったと言われるようにこの人も多分どんなセッションにでも駆り出される鍵盤弾きだったんだろうな。

 そんな彼の転機はやっぱりストーンズとの出会いだったんだと思うけど、英国ロックが一番熱い時期でもある1973年にようやく、というか背中を押されて出したソロアルバムがアナログ時代ではかなりレアだった「夢見る人」という作品。ミック・テイラーのギターが心地良い具合に登場していて何と言うのか、ロックな人たちなんだけどワイルドなロックな人たちじゃなくってもっと優しくて繊細な人たちによる作品になっていて、きっとそれがニッキー・ホプキンスの性格なんだろうなぁとヒシヒシと感じられるね。サックスではボビー・キーズが参加していたり、もう一人のセッションマンとして有名なクリス・スペディングも参加しているという実に心和むアルバム。ベースにはあのクラウス・ヴォアマン参加というのも彼ならではだろうね。更にこの後徐々に有名になっていくパーカッショニストと言えばレイ・クーパー。内容的にはもちろんニッキー・ホプキンスのソロ作品なので鍵盤、とくにピアノが前面に出てくるアルバムで冒頭から落ち着いた優しい雰囲気で始まってくるんだな。どの曲を取っても美しく繊細で心優しいメロディーが紡ぎ出せるところはさすがに音楽家という一面を見せてくれるし中でも「Lawyer's Lament」という哀愁を帯びた美しき曲はアルバム中最高の一曲でしょう。全然違うんだけどある意味ピート・シンフィールドのソロ作品にも通じる英国的なメロディーが好きで結構聴いたものだ。もうちょっと他の楽器が聞こえても良いんじゃないかと思うくらいピアノが前面に出ているのがもったいないんだけど、まソロ作品だからこれくらいでしゃばってても良いのかな。テイラーのギターもツボを押さえたところでしっかり鳴ってくるし、ストーンズ関連の人の単なるソロ作品として捉えられているだけでは惜しいくらいに秀作。アルバムジャケットも含めて彼らしいなぁって。

 アナログレコードで収集していた時代にはこのアルバムには全然お目にかかれなくて、見つけても結構な高額だったりして全然聴けなかったし、そこまでして手に入れるほどでもなかったのでブライアン・ジョーンズの「Joujouka」と共にストーンズ関連では結構聴けなかったんだよね。CD時代になってリリースされるってなってようやく聴けた作品がこれほど心に染み入るとは思わなかった名作かな。ストーンズ名義での「Jamming with Edward!」もライ・クーダー参加で話題になることがあるけど、こいつでのピアノもさすがです。
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フレ
Posted byフレ

Comments 8

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jettman  
豚飼いしてた頃

その頃だったと思う。
『夢みる人』がCDで発売されて、即買った。
アルバム最終曲にpig's boogieなんて曲もあって、よくきいてたなぁ。

2006/03/17 (Fri) 23:34 | EDIT | REPLY |   
KOJY  
コメント消えた?

さっきコメント書いたはずなのに orz
ニッキー・ホプキンスって多才な感じがして良いですよねー。「夢見る人」は大好きです。

2006/03/18 (Sat) 02:25 | EDIT | REPLY |   
V.J.  

「夢見る人」は本当に良いよね!
リリカルで優しくて、彼の人柄が偲ばれるんですけど、STONESの最も極悪ツアー時代(Cocksucker blues)のピアニストなんですよね(笑)

結構、ドラッグまみれの人ですから(ぢゃなければ、クイックシルバーにセッションぢゃなくて、メンバーとして加入しねーよ!)早くして…合掌。

やはり、血を入れ替えないと長生きできないのかなぁ~(爆)

2006/03/18 (Sat) 02:30 | EDIT | REPLY |   
長尾ヒカル  
初めまして

ニッキーの話で飛んできました。

ニッキーの叙情的て繊細なピアノが大好きです。彼が関わったバンドは皆好きですが、何といっても音楽家として尊敬しています。すばらしい。

2006/03/18 (Sat) 20:42 | EDIT | REPLY |   
BYRD  

ニッキー・ホプキンスでは『夢見る人』が一番好きですね♪
決して歌が上手い人ではありませんが、「Waiting For The Band」や「Dolly」といった曲は彼の優しさが感じられて素晴らしいと思います。

2006/03/19 (Sun) 00:26 | EDIT | REPLY |   
フレ  
コメ多数ありがとうっ!

>jettmanさん
ベースマンからしてクラウス君ってのはどうなんでしょ?もちろんバリバリジャズベーシストじゃないので何とも言えないんでしょうけど、優しいベース弾くなぁと思いますけど、結構重宝がられている面あるので特筆したテクでもあるのかな、なんて思っちゃいますが、多分人柄でしょうね(笑)。

>KOJYさん
ん?なんででしょ?禁止ワード入ってたのかな?でもほとんど大丈夫なハズだけど…、邪魔者排除に一部設定しているのでひっかかったかも。夢見る人…でいたいですね。

>V.J.さん
そう、ストーンズ最も熱いツアーの鍵盤奏者です=ジャンキー(笑)。血を入れ替えてホント長生きしてる人いますからねぇ(笑)。もう没後12年ですか…。

>長尾ヒカルさん
多分ねぇ、彼の持つ繊細な優しさが音楽家にとっては響きやすいトコなんだと思うんですよ。だからドラッグにハマってしまうってのもあるんだろうけど。しかしこれほど優しいサウンドを書ける人も多くないですよね。

>BYRDさん
お初です♪ やっぱり多数の人に愛されていたんだなぁと実感するこのアルバム、BYRDさんトコもウチと同系統のブログサイトでいっぱい楽しめそうです。

2006/03/19 (Sun) 09:49 | EDIT | REPLY |   
Mona  
遅まきながら

長尾ヒカルさんのところを経由して、こちらに飛んできました。

長年のNickyファンとしてちょっと付け加えさせていただきますね。

>結構、ドラッグまみれの人ですから
「まみれ」という表現は、ちょっと問題ありです。まあ、普通に、grassなどは好んでやってましたけど。
元々病弱な人(若い頃、結核にかかっていたこともある)なので、同じように、生まれつき身体の弱かったJohn Cipollinaと意気投合して、そのままQMSに加入したというわけです。
QMSを辞めた後もベイエリアに残って、仲の良いCipollinaと一緒に、よくステージに上がっていました。

2006/04/08 (Sat) 21:39 | EDIT | REPLY |   
yaziuma gontaro  
今頃ですが・・・

20年来のニッキー好きです。

月までは失念しましたが、1995年ごろの『レコードコレクターズ』に
ニッキーが参加した作品一覧リストが掲載されています。
たしか、小島エージさんによる追悼記事だったと記憶しています。

国会図書館には所蔵していますが、都道府県立レベルの図書館なら
所蔵しているところもあると思います。

2010/11/02 (Tue) 13:47 | EDIT | REPLY |   

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