Sarah Brightman - Symphony

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 歌い手の使い方という意味で最も上手くアーティストの潜在能力を引き出し、更に商売にもきちんと繋げられる度量を持っているのはやっぱりアメリカなんだよな。重さは一切ないんだが、売ると言うことと作ると言うことについてはやはりうまい。その辺が戦略の弱さと言うのか洗練されすぎていないのが日本や欧州でして、それがまた個性を出しているのはあるので否定すべきモノではないんだけどね。でもアメリカの商売の巧さには舌を捲く。

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サラ・ブライトマン - Symphony Symphony

 サラ・ブライトマンの2007年のクリスマスシーズンにリリースされたアルバム「Symphony」を聴いてみて思う。自分的にはサラ・ブライトマンって歌の上手いポップスっつうか歌手っていう印象しかなくてちゃんと聴いたことなかったし、別にそんなのゴマンといるわけだから、何でもいいや、っていう感じだったんだけどさ、ゴシックメタルを漁っている時にふとこのアルバムが出てくるワケよ。もちろんアルバム全編ではなくって、「Symphony」の冒頭2曲のゴシックメタルアレンジはなかなか面白い、と。それで、どんなもんなのかを聴きたくてね。

 1曲目のインストテーマからして「Gothica」だからもうゴシックでしょって感じでして、続く2曲目「Fleurs Du Mal」がもう圧倒的にゴシックメタルを意識したアレンジで歌い上げてる。見事なまでの天性の美声と天上の声でゴシックメタル風アレンジに施された楽曲を多分どんなメタルバンドが束になっても敵わないレベルで歌っているのだ。こうなるとどこも分が悪い…それくらいやはり歌が巧いし、声もしっかりしているので、レベルが違う。Liv Moonなんかもこんな風に出せれば全然印象違ったのにねぇ…、いや拘っているワケじゃないんだけどさ(笑)。

 そんな冒頭のゴシックメタル調な曲に感動しているとその後はもう歌姫のオンパレードでして、曲がどうのとか言うんじゃなくってアレンジも含めて感動の嵐を誘うようなドラマティックな楽曲ばかりが入っててさ、もちろん歌が巧いから聴いてると凄いなぁ~とシミジミ思ってしまうものばかり。何やらイロイロな人と共演しているらしくて、そういう声色の対比もゴシックメタルの世界と同じく男女によるボーカルで世界を紡ぎ出しているってところか。変わり種ではキッスのポール・スタンレーがデュエット作品に一曲参加しているってトコロで、他のゲスト陣がオペラやクラシック畑というのに比べていきなりキッスかよ、って感じだ(笑)。しかもムード満点のバラードを歌っているというのが笑える。アルバム的にはちょっとマイナスポイント高いけど話題性はあったんだろうな。

 しかし…、巧い。とにかく巧い。聴き惚れるってのはこういう事なんだろう、と。ただねぇ…、やっぱりアメリカなんだよな…、消耗品でしかないっつうのかね、重さがないってのか…、何だろ?何度も聴かなくていいや、っていうのか…。いや、凄い作品なんですよ。だからアルバムをしょっちゅうリリースしてリスナーを惹き付けるしかないんだろうな、とはわかる。



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フレ
Posted byフレ

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