



ジョン・メイオールの元には若き有望なギタリスト諸氏が何人も出入りしており、
アレクシス・コーナー
と共にブリティッシュ・ブルースの父として英国ロックの誕生を支えていたことになるんだけど、その中にやたらと巧いギタリストもいて、後にローリング・ストーンズに迎え入れられることになるミック・テイラーはクラプトンの穴を埋めるタイミングで参加していたことがある。アルバムでは「
Bare Wires
」
一枚での参加での参加だが、正直言ってそれほどミック・テイラーの個性が出ているわけじゃないのが少々残念かな。時代的なものもあって、やたらサイケデリックっつうかジャジーな風潮のアルバムなので本領発揮できなかったというのが正解かもしれないけどね。他には後に
フリートウッド・マック
を結成する
ピーター・グリーン
もメイオールと一緒にやってたりするね。
そんな「
Bare Wires
」からしばらくするとストーンズのブライアン・ジョーンズ脱退の後釜として参加を要請されるワケで、あまりにもカラーの違うギタリストがストーンズに参加することになる。ま、ストーンズの70年代はミック・テイラーの巧さが必要だったと思うのでその辺はかなり有機的に作用したし、1972年頃のストーンズときたら絶対に史上最強のロックバンドだったしね。で、そのミック・テイラーが最初にストーンズの一員としてライブを行ったのがかの有名な
ハイドパーク
でのコンサート。奇しくもブライアン追悼コンサートとなってしまったんだけど、彼のギタープレイを堪能するには実に魅力的な映像で・・・と云うか、あまりにも追悼色が出過ぎているのでそういう見方をする人も多くないみたいね。いや、キースの後ろで丁寧に王子様のような格好で細かいことを弾いているんだよ、あの短いシールドで(笑)。
ストーンズを抜けた後の1975年には確かジャック・ブルースとのジョイントアルバムもリリースされていてライブなんかもやってたらしいけど、あんまりパッとしなかったみたい。何回か聴いたけど噛み合わないっていうのか、単なる演奏になっちゃってるんだよね。1979年になるとようやく念願の
ソロアルバム
を作ることとなる。ジャケットが醸し出す雰囲気がそのまま伝わってくる落ち着いたブルースに囚われないギタリスト過ぎない大人のサウンドが中心となったアルバムで、一生懸命聴くものでもないけど流して聴いていると結構心地良いサウンドなので割りと流していたかな。やっぱさ、ギタリストが一人で作るアルバムって色々な期待をしちゃうし、どこまでできるのかなとか深読みしちゃうから割と好きでね。ミック・ラルフスとかロン・ウッドとか
アール・スリック
とか重要なサイドギタリストの作品ってど真ん中のサウンドじゃないんだけど趣向が良く出ていて面白い。もちろんギタリスト的な聴き方が中心になるので万人と話ができるものでもなくって、単なるソロ作品って言われてしまうのはしょうがないんだが。あ、今度24日にコレ、
紙ジャケ
出るんですね。
んなことでミック・テイラーが次にアルバムを出すのは1990年代になってからで、しかもライブ録音物。面白いのはストーンズの曲でも平気でプレイしているんだけど、もちろん大人のサウンドで演奏されているので毒々しさなどは全くなくって、まあ昔を懐かしむ、みたいにやっている程度でファンサービスだろうなぁ。多分性格的に凄く良い人で音楽に真面目な人だと思うのでロックシーンにいるよりももっと音楽に特化したシーンで活躍したほうがよかった人なんだろうと思う。ストーンズの栄光は彼にとってよかったのかと問われるとどうなんだろうか。
P.S.
う~む勉強不足でしたが、「Crusade」「BLUES FROM LAUREL CANYON」ってのがあるんですね。聴かなければ…。
P.S.2
よくよく調べてみたら他にも結構あるんですねぇ…。反省。
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