Whyzdom - From the Brink of Infinity
0 Comments

新人バンドの楽曲レベルがこれほどまでに差が出るというのはもしかしたらメタルくらいなのかもしれない。普通のロックやポップスでもそれはあるけど、メジャーになる時には当然その辺が洗練されてくるので世界と比較してもそんなに差があるようには思わないもん。もっともこの論理は作り手=プロデュース側に差が出ることはあるが、それでも今の時代そんなに大差はつかないですよ。ところが先日のLiv Moonの「DOUBLE MOON」という作品ではあまりにも未熟な日本のゴシック or シンフォニックメタル的なプロデュース業の差が出てしまっていて…、多分Liv Moon自体の問題ではないんだろうな、と。そこで、世界の新進バンドによるここ最近の素晴らしい仕事を挙げてみよう。
まずはフランスから2009年に出てきたWhyzdomというバンド。女性ボーカルのテイラ嬢によるシンフォニックなメタルバンドで、流石にヨーロッパ産と唸らされる価値のあるクワイヤ=コーラス=オペラティックな世界とシンフォニックさ加減。荘厳な世界を新人の最初のアルバムにして仕上げている。これはもうバンドの意向とプロデュース側の意向が同一直線上に並んで出来上がった代物に他ならないもので、圧倒的な世界レベルでの作品を創り出しているとしか言えない、それでこそ世界レベルのバンドとアルバムなワケですよ。
「From the Brink of Infinity」という作品で、最初からクワイヤとシンフォニックを体感できます。ちなみに終盤にはプログレマニアにも喜ばれる「Daughter of the Night」と称された組曲が表れてて、それがまたしっかりと気合いの入った荘厳なクワイヤと楽曲です。もっともそれに限らずどの曲も尊厳さに溢れているんだけど、しっかりと鍵盤やクワイヤだけに頼らずにギターもヘビメタしてて、ソロも気持ち良く入ってくるので、その辺りが好きなヤツがしっかりとやってるという印象。これからも壮大な作品を生み出すことを期待しているんだが、どうだろう。
このファーストアルバム「From the Brink of Infinity」の評判も上々と聞くし、ヨーロッパのフェスでも割ともてはやされたようなので来年あたりには来日するか?
やや弱点はボーカルのテイラ嬢の歌が少々上手くないってことくらいか。まぁ、そんなに気になるほどではないけれど、これから上手になっていくことでしょう。ジャケットのイメージそのものがバンドのイメージとして捉えられる秀作。
- 関連記事
-
- Pythia - Beneath the Veiled Embrace
- Whyzdom - From the Brink of Infinity
- All Ends - All Ends