Liv Moon - Double Moon

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 昨年の秋頃だったか突如としてニュース欄を賑やかした「元タカラジェンヌがヘヴィメタルシンガーに転身」という記事を見て、はて、何の事やら?とそれなりに興味を持ってニュースに接した。するとそのままの通りで元宝塚の女優さんがナイトウィッシュに触発されて宝塚引退後にゴシックメタルのバンドを組み、そのシンガーとなって近々シングルをリリース、って事だった。シングル「オペラ座の怪人」はネットで適当に聴いた程度だけど、それこそIron Maidenもやってるし…ってのは別曲として、Nightwishがカバーしてる曲そのもの。こんなもんなのか、というくらいでアルバムに期待してた所に発売されたので聴いてみました。

DOUBLE MOON

 バンド名なのか彼女の芸名なのかLiv Moonという名義でリリースした「DOUBLE MOON」。ジャケットはなかなかソソられる仕上がりになっているので悪くない。歌唱力が相当のものだったらそのまま欧州に輸出できるのかも?と思ってたけど、そもそも彼女って両親とも別の国の方なので日本人じゃないって言い方が正しい。それはともかく、ジャケットも話題も期待してて、一般への露出も高かったからゴシックメタルというジャンルがメジャーになるチャンスじゃないかと。うん、別にどっちでも良いけど。

 そんで聴いてみたら…、「がっかり」。

 ん~、ダメだろ、これじゃ。欧州の新進バンドのレベルにすら追い付いていないし、アメリカにも追い付いてない。楽曲レベルやアレンジ、音作りやミキシング、全てが厳しいレベル。光る点と言えばタカラジェンヌの意地でもある音域の幅が広い歌唱力くらいで、これはもうメタルはできません、っていう歌い方だから、Nightwishのターヤとは大きな違い。っつうか楽曲レベルの違いが大きいのもあって、かなりアカン。歌しか秀逸点が無いならもっとミックスで前に出せば良いのに、結構楽曲に埋もれたミックスになっているから歌すらも目立たない。多分彼女自身の問題ではなく、取り巻く周辺のスタッフが深くまでゴシックメタルに取り組めていなのかも。折角あれだけ話題を振りまいたなら外注してでも楽曲レベルの高いモノを取り寄せるべきだったろうに。勿体ない。

 「DOUBLE MOON」アルバム全編を聴くまでに至らないっつうのが問題だ…。ただ、似たような音ばかりというのはなく、それはもうカラフルに雰囲気を変えた曲が並んでいる。そういう意味では歌が一辺倒かもしれない。改めてゴシックメタルって難しいんだなというのを逆に痛感してしまった。ライブにしてもまだLoudPark09でしか歌っていなくて、今度は3月にやっとライブが決まりました~、なんて売り方で、まったくアイドル的。それはもうメタルバンド好きな人はなかなか付いていかないんじゃないか?

 …ん。ちと素直に書きすぎてしまったが何曲かは歌声が魅力になっている曲もある。ただ、メタルという部分じゃなくて静かに歌を聴かせるという意味だ。だからメタルとして売らなければ普通にちょっとハードな歌手ってくらいで良かったのだろう。いや、期待が大きかったが故に辛辣になってしまった…。



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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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Hiroshi-K  
酷評されてますね~

シングルを聴く限りではだいぶ期待出来たんだけど、アルバムを通しで聴くと「ふ~ん」という感想しかないって感じですね。

素材としては面白いので、確かに楽曲次第ですね。メタルと言ってしまうとハードルが高くなってしまうから、クサメロ系あたりが良いのかも知れません。

新たな展開に期待!!

2010/01/07 (Thu) 20:29 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>Hiroshi-Kさん

ね、ホントにまぁ、ギャップが激しかったっつうか…。確かにクサメロあたりで起伏が激しいのだったらよかったんじゃないかと。うん、期待したいところ。

2010/01/11 (Mon) 21:03 | EDIT | REPLY |   

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