Andy Taylor - Thunder

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 デュラン・デュランから一足早く離脱し、己のロック魂そのままに歩みを進めたのがギタリストのアンディ・テイラー。デュラン・デュランが一端活動を止めて各人の活動に専念した際にアーケイディアとパワー・ステーションに分割されたことは以前にも書いたし、割と知られたことだろうけど、そこでアンディ・テイラーはしっかりと自分のハードロック好きを認識してしまったのだな。そんで、そもそもデュラン・デュランのツアー時の前座で起用されていたChequered Pastの面々と意気投合したんだろう。そりゃそうだ、伝説のSex PistolsのオリジナルギタリストでもあるSteve Jonesがいたんだから。アンディ・テイラーがSilverheadやIggy Popまでを網羅していたかどうかは怪しいけどピストルズはね、さすがに伝説でしょ。

Thunder Mercy
Andy Taylor - Thunder (Original 1987 Format) Thunder

 そんなスティーヴ・ジョーンズに教え込まれたロック魂は仕事場のデュラン・デュランを放棄させるには十分なアウトサイダーだったってことだ。そして一緒に組んでソロアルバム「Thunder」を1987年にリリース。全くChequered Pastと同じような音世界だったんだが、そこはアンディ・テイラーのネームが呼び込むレーベルのカネの掛け方の違いが出るね。かなり洗練された、そしてモダンで大人な感じのする心地良いロックが聴ける。後で聴けば全てがSteve Jonesの手による作品だったらしいが、おかげでSteve Jonesは後にリリースするソロアルバム「Mercy」ではタイトル通り静かな曲ばかりを詰め込んでいて、アンディ・テイラーの「Thunder」で多くのハードロックソングを使い果たしたような感じだ。

 そんなに才能があるとかではないと思うけど、しっかりプロダクションされていて今でも古くささを感じないモダンな風味はなかなかのもの。快活なナンバーも多いし、アンディ・テイラー意外とやるな、と当時は思ったがさすがに今はちょっと子供だまし…っつうか狙ってるのが見えてるのでね…。いやいや、それでも英国のハードロックバンドのサンダーなんてのは見事にこのアルバムからバンド名を拝借して彼等のファーストアルバム「Back Street Symphony」ではプロデューサーにアンディ・テイラーを迎えているのだから影響力は大きい。

 日本盤はアンディ・テイラーの顔面アップ写真だったけどもともとは山の景色みたいなジャケットだったらしい。アートスクール出身じゃなかったのかな?あまりジャケットにこだわりはなさそうだけど…。しかし、アンディ・テイラーも案の定この一枚でどこか失墜…、そしてデュラン・デュランという仕事場にも一端復帰することになるのだった…。



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フレ
Posted byフレ

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