Gryphon - Red Queen to Gryphon Three

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 静かめのサウンドで…なんてライブラリをずらりと見ているとふと、「これでいいや」というジャケットに目が留まった(笑)。最近更新されていないブログの主さんがプログレはここから入った、というこれもまた実に珍しい人だとは思うのだが、グリフォンです。過去にも何枚か取り上げているので今回は1974年にリリースされた三枚目「Red Queen to Gryphon Three」です。多分グリフォンの歴史の中では最高傑作に挙げられる一枚だろうね。

Red Queen to Gryphon Three Midnight Mushrumps

 「Red Queen to Gryphon Three」…、邦題「女王失格」とのことで…、なんか中身の高貴さと邦題のアンバランスさがちょっとよく理解できないのだが(笑)、まぁ、そこは置いといて…、昔聴いた時はもっと大人しくて古楽器ばかりの印象だったんだけど改めて久々に聴いてみると、凄くロックだったんだということに気付いた。プログレっつうか…、中世音楽って言われているし、実際にそうなんだろうけど、これが中世音楽ってモンなのだろうか?まぁ、現代音楽ではないのだが…。クラシックに近いけど、そんなに厳かでもないし、喜劇のBGMだったり悲劇のBGMだったりするような印象なので、劇音楽ってな感じだろうか。情景から音が思い付いている、というような音。音を聴いていると情景が何となく浮かぶ。だって「Red Queen to Gryphon Three」は全部インストモノだから歌詞ないし。だから全部想像の世界。面白い試みだよね。それでいてロックの世界でアルバムが紹介されていくし、今でもリマスターされたり再リリースされたりするし、文化の一端を担っているワケだ。

 簡単に言うと物語の情景に合わせて音楽が作られているから固定的なリズムだとか旋律だとか言うモノがほとんど存在しない。情景に合わせてリズムも旋律も変化していくし、コード進行だって同じ曲でメジャーマイナー入れ替わって雰囲気を作っているし、そういうのを繰り返して演奏しているメンバーも凄いけど、元が国立音楽院出身者達なので手法は完全にクラシック的なんだろう。そんなのを4曲作ってアルバムに入れているってなもんで、どれも10分程度の大作だから聴いていると面白い。疲れるんじゃなくて聴き応えがあるし一曲を聴いている気がしないくらい多彩だから楽しい。そう思えるのも不思議だが…。

 唐突にグリフォンの「Red Queen to Gryphon Three」なんてのを聴くとさ、やっぱりホンモノの音楽家さん達って凄いんだな、と感じてしまう。ロックだぜ~ってのとは違うしさ…。ただ、まぁ、面白さっていう面では色々あるからね。たまにはこんなのも良いでしょ♪



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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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papini  

個人的には1st、2ndが好きだったりするんだな、これが。
完成度で言ったらきっと、この3rdだと思うんだけどさ。
ま、好みの問題か。

んで、このバンドね。アタシ的に、
トラッドっぽいロック、とかバロックっぽいロックではなくて
ロックっぽいトラッドで、ロックっぽいバロック音楽だと思ってる。
んで、トラッドやバロック音楽聴くと、これは絶対ロックでね。
なんか不思議だな、って思いながら聴いてる。

これ以降も聴いたけど、印象に残ってるのは
やっぱりこの音盤よりも前だったりするんだな。

2009/12/10 (Thu) 23:07 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>papini嬢

1st、2ndはもっと濃い~感じだから3rdが洗練されて完成度が高いってとこか。ロックっぽいトラッド…ロックっぽいバロック…うん、ロックのフィールドに出てくるのが彼等は意外だったんじゃないだろうか?そんな気がするバンドと技量。以降はほとんど聞いてないなぁ…。

2009/12/15 (Tue) 21:26 | EDIT | REPLY |   

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