Sally Oldfield - Water Bearer
0 Comments


ご存じMike Oldfieldのお姉様のSally Oldfield。19歳の時にサリアンジーでデビューしていたワケだからそこから1978年に最初のソロアルバムをリリースするまでの10年程度の期間が空いていたのだが、何が彼女をそうさせたのか無事に…と言うか、とんでもなく素晴らしいクォリティでのアルバムリリースに漕ぎ着けたところは凄い。その合間に有名なコーラスワークとしてSteve Hackettの「Voyage of the Acolyte」の最後にコーラス参加しているというものはあるけど、他にはそれほど目立たないし、弟君の作品に登場しているワケでもないようだし。まぁ、それでもアルバム一枚をほいっとリリースできちゃうのだからコネが強いのか才能なのか…。
そしてそのアルバム「ウォーター・ベアラー」なんだけどね、まずジャケットが素晴らしいんですよ。滝の下の泉に佇む白いドレスの女性…、なんか幻想的ですよこれは。んで、アルバム自体は「指輪物語」にインスパイアされた組曲を収録しているということで、ほほ~ぉ…と期待するのです。そして針を落としてみるとさざ波の音から始まり軽やかにロックの世界ではあまり聴き慣れないマリンバなんかの音がしてくる…どっちかっつうとドラムとかエレキギターとかの音がないのでちょっと驚きつつも、このフォークな感触は好みの世界なのでワクワクしてくるしね。聴いているとこの人絶対アイリッシュの血がいっぱい入ってる…ってことに気付く。そういうメロディや資質がそこかしこに出てくるもんね。
さて、その組曲なんだが…、全く組曲としか言えないのだけど、どれもこれも柔らかく優しく…、他の女性アーティストや歌姫と大きく異なるところはですね、サリー・オールドフィールドという女性はこのアルバムのほぼ全ての楽器を自分で演奏しているということでして、弟君と同じくとんでもないことやるんだな~というモンなんだけど、そのせいなのかどれもこれも非常に女性的な繊細さやアプローチやまろやかさなどがにじみ出ていて粗雑で粗野な男性的な部分が全く見当たらない。だから作品そのものが女性という個人的な代物になっているんだな。そういうのって他にはないからさ、ちょっと変わった感触で聴ける音世界。
「ウォーター・ベアラー」の音そのものはフォークというかアイルランドフォークというか時代が1978年というのもあってちょっとケイト・ブッシュ的と言うのか浮遊したサウンド。よくプログレコーナーにあったりするのが可哀相でね。リラクゼーションとかフォークとかそんな感じの音だから。心地良いね。ただ、聴いた曲が側から流れていってしまうのでそういうところはどうなのか、とは思うが(笑)。
- 関連記事
-
- Mandy Morton & Spriguns - Magic Lady
- Sally Oldfield - Water Bearer
- Sallyangie - Children of the Sun