Syd Barrett - The Madcap Laughs
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「ロック史においては重要な存在だろうけど、俺たちにとっては厄介な存在だった」とはロジャー・ウォーターズの弁。言い得て妙であろうと思う。ここまで厄介な存在になってしまったシド・バレットという友人をどうしてよいのか非常に悩ましかったことだろう。残念ながら一昨年に60歳で逝去してしまったのだが、その時既に肉体と魂は切り離された存在だったことはシド・バレットという名前を知っている人にとっては久々に聞いた生々しいニュースだったことだろう。

The Madcap Laughs
1970年にリリースされた最初のソロアルバム「帽子が笑う不気味に」。アルバムジャケットはヒプノシスのデザインによるもので、写真撮影はロック写真家として有名なミック・ロック。これ、当時シド・バレットが住んでいたフラットの部屋の写真で、実際はピンクと黒に塗り分けてあったらしい。しかもミック・ロックが撮影に来ると聞いてシド・バレットが自分で突如として床を塗り分けたらしいから、実にセンスに長けた面々が揃ったアートワークなのだ。
さて、背景は多々知られているのでそこらを漁ってもらうとして…、ってもあまり詳しく書かれたブログ記事やウェブでの記事って多くなくて、ほとんどがシド・バレットの存在についてだったりイメージだったりピンク・フロイドとの云々になってしまっている。ちょっと突っ込んだことを調べるのに手間取ってしまった「帽子が笑う不気味に」。まぁ、別にそんなに突っ込む気もなかったんだけど…。ただね、やっぱりシド・バレットの「帽子が笑う不気味に」って自分的にも恐らく多くのロックファン的にもかなり特異で異彩を放っている存在で、中身の音がどうのとか言うレベルじゃないんだよね。だから迂闊に書けないなぁ…って久々に思った。あんまりそういうのないんだけど、「帽子が笑う不気味に」はちょっと別。
とある友人がこのアルバムを総評して一言「本当に狂ってしまった人の音楽と、狂気を演じている音とは全く違っていて、本当に狂ってしまった人の作品は表面には出てこない危うさを被っていて一見普通に聞こえるものだ。」と言っていた。
「帽子が笑う不気味に」を知識無しに聴いてみたら凄くアシッドフォーク的で良いアルバム、と思う人もいるだろうし、受け付けない人もいるだろう。ただ、本能的に何か違う、と感じるのでは?それがこのアルバムの持つシド・バレットという人間の本質だろうと思う。
いやぁ、やっぱ書いてると他のサイトと同じく存在や背景についてになってしまうので、そろそろ中身について…。うん、「帽子が笑う不気味に」のバックはソフト・マシーンだ、と言われていてソフツ好きな人間からするとやはりというような満足感はあるんだけど実際にはアルバムの2曲目と3曲目のみマイク・ラトリッジ、ヒュー・ホッパー、ロバート・ワイアットがプレイしている。さすがにアルバム中ではこの二曲のアレンジがかなり浮いている。シド・バレットの歌唱力というか存在感がアルバムを統一しているから問題ないけど、バックの音を聴いているとかなり異質な音色です。さすがソフツ。その他の曲はロジャー・ウォーターズとデヴィッド・ギルモアが基本サポートしているので、確かにしっくりとしたプレイ。危ういギターバッキングは全部シド・バレットによるものだろうけど、最初の「
Terrapin」が始まった途端にゾクゾクしちゃうもんね。アコギ一本と鍵盤少々のアレンジで生々しいシド・バレットの浮遊した世界。アルバム中どの曲も基本的にこの浮遊感が漂っていて、何故かとても美しい音が聞ける。
やっぱり辛いねぇ…この人のアルバム。何か純粋に音だけを語れないというか、一曲づつが重く響いてしまうんだよね。普通に聴けばとても聴きやすく軽い音なんだけど、自分的にはどうしても重くて…、好きなんだけどさ、ちょっとだけシド・バレットの存在していた世界がチラチラと見えてしまうから、キツイ。扉の向こう側に存在している人達の世界を表に出すとこういう音なんだろう…。



1970年にリリースされた最初のソロアルバム「帽子が笑う不気味に」。アルバムジャケットはヒプノシスのデザインによるもので、写真撮影はロック写真家として有名なミック・ロック。これ、当時シド・バレットが住んでいたフラットの部屋の写真で、実際はピンクと黒に塗り分けてあったらしい。しかもミック・ロックが撮影に来ると聞いてシド・バレットが自分で突如として床を塗り分けたらしいから、実にセンスに長けた面々が揃ったアートワークなのだ。
さて、背景は多々知られているのでそこらを漁ってもらうとして…、ってもあまり詳しく書かれたブログ記事やウェブでの記事って多くなくて、ほとんどがシド・バレットの存在についてだったりイメージだったりピンク・フロイドとの云々になってしまっている。ちょっと突っ込んだことを調べるのに手間取ってしまった「帽子が笑う不気味に」。まぁ、別にそんなに突っ込む気もなかったんだけど…。ただね、やっぱりシド・バレットの「帽子が笑う不気味に」って自分的にも恐らく多くのロックファン的にもかなり特異で異彩を放っている存在で、中身の音がどうのとか言うレベルじゃないんだよね。だから迂闊に書けないなぁ…って久々に思った。あんまりそういうのないんだけど、「帽子が笑う不気味に」はちょっと別。
とある友人がこのアルバムを総評して一言「本当に狂ってしまった人の音楽と、狂気を演じている音とは全く違っていて、本当に狂ってしまった人の作品は表面には出てこない危うさを被っていて一見普通に聞こえるものだ。」と言っていた。
「帽子が笑う不気味に」を知識無しに聴いてみたら凄くアシッドフォーク的で良いアルバム、と思う人もいるだろうし、受け付けない人もいるだろう。ただ、本能的に何か違う、と感じるのでは?それがこのアルバムの持つシド・バレットという人間の本質だろうと思う。
いやぁ、やっぱ書いてると他のサイトと同じく存在や背景についてになってしまうので、そろそろ中身について…。うん、「帽子が笑う不気味に」のバックはソフト・マシーンだ、と言われていてソフツ好きな人間からするとやはりというような満足感はあるんだけど実際にはアルバムの2曲目と3曲目のみマイク・ラトリッジ、ヒュー・ホッパー、ロバート・ワイアットがプレイしている。さすがにアルバム中ではこの二曲のアレンジがかなり浮いている。シド・バレットの歌唱力というか存在感がアルバムを統一しているから問題ないけど、バックの音を聴いているとかなり異質な音色です。さすがソフツ。その他の曲はロジャー・ウォーターズとデヴィッド・ギルモアが基本サポートしているので、確かにしっくりとしたプレイ。危ういギターバッキングは全部シド・バレットによるものだろうけど、最初の「

やっぱり辛いねぇ…この人のアルバム。何か純粋に音だけを語れないというか、一曲づつが重く響いてしまうんだよね。普通に聴けばとても聴きやすく軽い音なんだけど、自分的にはどうしても重くて…、好きなんだけどさ、ちょっとだけシド・バレットの存在していた世界がチラチラと見えてしまうから、キツイ。扉の向こう側に存在している人達の世界を表に出すとこういう音なんだろう…。
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