Free - Highway
いや、結構名曲が入ってる割には前作「Fire & Water」が良すぎたために地味な印象になってるアルバムなので勿体ないなぁと云うこともあって、ポール・ロジャースの本来の良さがどこまで出ているのかはちょっと問題がある。結構な自信作だったハズで、フリーらしい曲と静かな曲が交互に入ってるって感じ。全体的にはちょっと鍵盤色がついてきて、本来の持ち味であるモタリまくりブルースロックバンドさが消えかかってるかも。そういう意味ではちょっと方向性模索の意味合いもありそうだが、そりゃこの年で世界的ヒットを飛ばしたミュージシャンともなれば次作も悩むわな。そんな悩みがモロに出た「Highway」は冒頭からあれ?ってな感じで始まりながら、「The Stealer」で帳消し。コソフのギターがハートをエグります。あ、ポール・ロジャース書いてるんだっけ。もちろんポールのボーカルは凄いし、何聴いても上手くて書きようがない。やはりライブ盤の方が圧倒的に良いバンドだもん、フリーって。「Free Live!」が本来のポールの持ち味が聴けるアルバムなのは間違いない。おまけに、未だに日本盤が発売されていない豪華なボックスセットも2000年にリリースされていて、「Free Live!」のアウトテイクがいっぱい詰まっているのも嬉しい。ついでに書けば、ここに収録されているフリーの「Crossroad」はクリームのそれよりも実にフリーらしくてかっこよいのだ。ノリはフリーのノリ(後ろノリ)で、ロック界一のボーカリストが歌うんだからそりゃ凄いよ。コソフの「Blue Soul」っていうのにも入ってるけど、これが凄くかっこ良い。
それとポール・ロジャースって云うとバドカンになっちゃう。結構しつこい歌声かと思ったら意外とアメリカンな歌い方も大丈夫だったので、何でも歌えるようになってきていた感じ。以降はホントに無差別にセッションやゲストボーカルをいっぱい務めていて、その延長がクイーンとの融合になるけど、これも良かったしなぁ。歌の才能があって曲とバンドに恵まれると素晴らしいシンガーってのは才能を発揮するね。彼自身の作曲センスはそんなに秀逸とは思ってないが…。で、何書いてるんだっけ?ん~、まあ「Highway」ってのは半分良い曲で半分ちょっと退屈、っつうか美しい曲なので好み分かれるかな。デジタルリマスターで出た時にボーナス曲がいっぱい入ってくれたので結構嬉しかったな。BBCセッションのバージョンなんかはやっぱりフリーらしいグルーブ感あるし、「The Stealer」のシングルバージョンも新たなる発見、ってくらい違いがあって面白い。
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