Carmen - Fandangos In Space

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 C級、B級と来たのでA級と言うのが正しいかどうかはともかく、音楽的には圧倒的にAクラスに属するレベルを展開しているバンドで、今の時代にはもちろん埋もれてしまっているバンドってのもある。売れるし残ることも前提だったが故にプロデュースにはあのトニー・ヴィスコンティを配し、日本でも国内盤がリリースされ、更にシングルカットのシングルまでもがリリースされていたというメジャーなバンド、カルメン(Carmen)って知ってる?

宇宙の血と砂 Fandangos In Space/Dancing On A Cold Wind

 知らない人は多いと思う。そんだけメジャーに展開をしていて、しっかりと売るつもりでいたみたいなところあるし、実際3年程度の活動でアルバム三枚リリースしているワケだから、それなりだったはずなんだけど、今となっては…、ってトコだ。そのカルメンが1973年にリリースした最初のアルバム「宇宙の血と砂」って名盤なんだよね。これまでに聴いたことのないロックのサウンドがしっかりとしたプロダクションによる音で収められている作品。

 俗に言葉上ではフラメンコロックとして語られているんだけどさ…、ヒネている自分的には何か違う言葉で…と思うのだが、これはフラメンコロックなのです(笑)。スペインの熱い血がたぎるサウンドとロックの融合…というイメージなんだけど、音的にはそれほどスパニッシュというワケでもなくって、まぁ、フラメンコのリズムとか手拍子とかは用いたりしているんだけどさ、ギターでそんなにスパニッシュかってワケでもないし、音はロックの音が基本。なのに何故かフラメンコロック、の音なんだ(笑)。聴いていると熱い血がたぎるっつう面白いバンドでね、売る側が売ろうとしたのもわかるくらいオリジナリティと大衆性をもったバンド。根強いファンは多いんじゃないだろうか?

 バンド経歴は割と面白くてもともとアメリカ人によるバンドだけどその特異な音楽性から英国のリーガルゾノフォン=プロコル・ハルムの属するレーベルからアルバム「宇宙の血と砂」をリリース。確かにアメリカでは出せないだろうな…と同時に英国ロックの音であることも確か…、皆スペイン大好きなのだろうか?歌もアコースティック中心のギターもクールで面白い。ドラムやベースってのは割と平凡なんだけど、ビブラフォンとかカスタネットとか脇役クラスの楽器担当ってのがメンバーに在籍しているワケでして、故に脇役ではなくってしっかりとバンドの中心を成す音なのだな。クイーンが売れたのならカルメンも売れておかしくない、そんな思惑があっただろうと…。もっとも時代的には同世代なのでどっちが売れたかはわからないのだが…、ま、そんなもんだ(笑)。

 しかしアルバム「宇宙の血と砂」を聴いているとデヴィッド・ボウイの「ハンキー・ドリー」あたりの音とかなり被る部分も多いな…。フラメンコ色が強いのはそうではないけど、シンプルな楽曲…5曲目の「Sailor Song」とかだと全くデヴィッド・ボウイのアルバムの音だもん(笑)。ヴィスコンティがかなり手を入れているな、これは。



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フレ
Posted byフレ

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