Sun Treader - Zin Zin

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 ジャズとロックの迎合…70年代中期にもなればジェフ・ベックによる「Blow by Blow」でその完全融合が提示されたものだが、それ以前のロックの世界では英国的ジャズロックという括りでは多々作品が残されているのは有名。ただねぇ、そういうのは大体過去のジャズとの融合というものが多くって未来との融合を考えているのって多くはないのかな、と。当たり前だし、自分でも何を書きたいのかよくわかっていないけど…、何というのか、白熱したジャズの熱気と手法はクリームに持ち込まれていて、そうではなくって最先端に進化していくジャズとロックを自然にくっつけたものってのがさ、なかなか難しいんだな、と。もちろんソフツのみならず色々あるんだけど、マイナーなバンドでもそういうのに果敢に挑戦していた、っつうか自然に出来上がっていたのもあるんだよ、ってことで。

ZIN-ZIN(紙ジャケット仕様)

 サン・トレーダーっつうバンドの1973年リリースの作品「ZIN-ZIN」ってなことで、最近CDになったんじゃないか?それまでは全然CDにはならなくてカウンターフィット盤が出回っていたくらいで…、まぁ、レコ屋で見ることもなかったな…。ジャケットが綺麗だからレコードでも良いなぁ~なんて探していたこともあったけど、当時はジャズロックってあんまり興味をそそられなかったので(笑)。いや、失敗ですね、今になってみるともっとちゃんと聴いておけばよかった、と思うアルバムがいくつも出てきていて楽しい(笑)。

 このSun Traderというバンド…、メンツの話は後回しにして、まずはこの音色の透明感が素晴らしい。躍動感溢れるエレピが空間を飛び回り、当然ながらベースラインも底辺を動き回って雰囲気をしっかりと保ちつつ、超安定したドラムがクールに音を鳴らす…、それだけでかなり幻想的且つ浮游感の漂うサウンドができあがるものだ。そこにサックスという人間の香りのする楽器が入ってくるので一気に愛らしい作品になっていくのだな。凄い透明感なんだよ、このアルバム。別にフュージョンとかリターン・トゥ・フォーエヴァーとか聴かないし、そういうのも趣味じゃないからSun Traderがその手のバンドだと言われてもピンと来ない。あくまでも英国ジャズロックの最先端を当時演奏していた人達によるロック的アプローチとして聴いているからかな。

 何でってさ、エレピはQuatermassのピーター・ロビンソンなわけですよ。その時点でもうロックでなければ、っていうか(笑)。ドラムのモールス・パートってのも後のブランドXに参加するのでそっちの世界になるんだけど、この1973年の時点ではやっぱロック。透明感溢れる幻想的な美しい空間が垣間見れるロック。珍しい音。プログレじゃないしさ、しかも長い曲ばかりだけど聴いてて飽きないしね。ステレオでちょっと大きめにして聴くと正に音世界に包まれる感じでフワフワして心地良いよ~。



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フレ
Posted byフレ

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