Sweet Slag - Tracking With Close-Ups

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 やっぱり深くて細い英国ロックの森…と実感するばかりの今日この頃。これだけひたすらに英国ロックを一日一枚づつでも書いていけばかなり整理できるものだと思っていたんだけど、やってみると整理できるどころかその派生や人間関係や音の確認などなどで収集つかなくなる一方という気がしてくる…。ある種のファミリトゥリー状態にストーリーが繋がっていっているブログのハズなんだけど、結局一方向しか向かないのでなかなかその派生バンドまでに手が回りきらないってことも多々。もっとも後で気付くっていうのも多いんだけどさ。まぁ、そういうのを気にしないでひたすらに聴いているワケですが、今日もまた知られていない素晴らしいバンドから…。

トラッキング・ウィズ・クローズアップス(紙ジャケット仕様)

 Sweet Slagというバンドの1971年の作品でもちろん唯一の作品「トラッキング・ウィズ・クローズアップス」ですな。全く唯一の作品ながらもこれだけ良質なものを残せるってのは一体どういうことだ?と思ってしまうのだが…、それも時代の成せるワザ、そして若さ故のワザ、ってところか。

 …昔から全く探しきれなかったアルバムだったなぁ。プログレとかだったらまだ専門店とかあったし何かと人気もあったから見ることはできたんだけど、普通にロックしたものなんかだと結構見つけにくかったりして、結局アナログで探していた時には見かけなかったもん。探し方が甘かったバンドってのもあるけど、見れば何となく思い出すジャケットだしね。どこかフリートウッド・マックのファーストに似てるしさ。

 さてさて、そんな待望の作品をようやくにして聴いてみたんだが…、え?こういう音なの?ってくらいに意外性があった。いや、自分的に、っていう意味なんだけど…。もっとドロドロのブルースロック系かなと思ってたんだけど聴いてみるともの凄いジャズなハードロックでして、もちろんブルース的なセンスも入ってるんだけど、それよりもドラムがジャジーなんだろうな、これ。ギターのフレーズもチョーキングとヴィブラートとかじゃなくて音色を綺麗に聴かせてくれるというようなもので…たとえが結構違うかもしれないけどバターフィールド・ブルースバンドの「East-West」みたいな世界をもっとハードにセッションさせたようなところ。まぁ、いずれにしても聴いていると凄く白熱した演奏がパッケージされているので面白いことに変わらないけど。そんでもって、構成がロック的なんだろうな、何でもありっつうかさ(笑)。歌はまぁ、あれば良いって感じであまり重要視されていないのはよくわかる。

 何だろな、この躍動感とどこか郷愁漂う清涼感っつうか…、思い切り暑苦しいんだけどその中で超越した存在としてギターソロが鳴っていたり、管楽器が鳴っていたりするから浮游しちゃうんだろう。とんでもなくトリップできる音世界なのかもしれない…、心地良いもん(笑)。コレと言って特筆するべきメンバーが参加しているワケじゃないけど、これだけのテンション高い演奏が繰り広げられるSweet Slagと言うバンド…、ナメちゃいかんぜよ、この世界、正に大英帝国ロックの深さを楽しめるアイテムだね。

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フレ
Posted byフレ

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