Gun - Gunsight

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 英国ロック史の表にはほぼ登場してこないエイドリアン・ガーヴィッツではあるが、ちょっと深堀りするとそこかしこでヒットすることとなる数少ない準A級の位置というのも面白い。そんなエイドリアン・ガーヴィッツとポール・ガーヴィッツが世に出てきたのはこれまた有名なガンの「悪魔天国」ですな。そのヒットのために彼等は英国音楽業界に居続けたのではないかとも思う。そうでなければこれほど色々なバンドに拘わることもなく、またメジャーシーンとの交流もなかっただろうし。まぁ、それは後の話なので良いんだけど、最初にヒットを飛ばしてしまった方々なので割と何でもスムーズに出来たのはあるんじゃないだろうか。

ガンサイト(紙ジャケット仕様) 悪魔天国(紙ジャケット仕様)

 そんなガン時代のセカンドアルバム「ガンサイト」をクローズアップ。そういえばまだファーストアルバム「悪魔天国」もここでは取り上げていなかったことに気付いたんだけど…、まぁ、いいや、せっかくだから大人びたセカンドアルバム「ガンサイト」の雰囲気を楽しもう。若気の至りのファースト「悪魔天国」はまた別の機会に…。

 …とは言え、ファースト「悪魔天国」との比較にはなっちゃうねぇ。セカンドアルバム「ガンサイト」を聴いてふと不思議に思ったのは、「こんなにアコギ多かったっけ?」とか「えらくコンパクトじゃね?」みたいな感想で、ついつファースト「悪魔天国」を聴いてしまったのだが…、うん、ファースト「悪魔天国」が1969年リリース、セカンド「ガンサイト」が1970年リリース、制作が半年から一年前としても時代的には1960年末期で一年も差が開いてないんだけど、こんなに変わるもの?確かに時代的には変貌の激しい頃だが…。ファースト「悪魔天国」がもっとサイケデリックで実験的でドラマティックだったことを思うとセカンド「ガンサイト」はガラリと変わったコンパクトな楽曲とアコースティック色の強調というすっきりとしたアルバムになってる。ハードロックもいくつかあって、それは後のThree Man Army並にかっこ良いけど、アルバム中の半分を占めているくらいか。その半分ってのが疾走感溢れるタイトな曲調でかっこ良くて素晴らしいので文句はないのだが。

 そしてここでも光っているのはエイドリアン・ガーヴィッツのギターのセンスと楽曲構成の幅の広さ。既に一辺倒なごり押し加減は確立されているのだが(笑)、その分勢いも半端なモノではなく、がむしゃらに頭を振り乱すノリってのは凄いものがある。バッジーやブラック・サバスよりも先にそんなのを疾走させているんだからやはり侮れない。バンドカラーとしてその一辺倒さだけでは進まなかった、というところがガーヴィッツさんのちょっと頭を使ってしまったところかもしれない。バッジーとかそのまま走ったからひとつのジャンルを確立した部分あるしね。

 あれこれあるが、ジャケットは驚くことにヒプノシスの手によるもので、昔はなかなか手に入らないアルバムだったんだよ、これも。ファースト「悪魔天国」はまだ見かけたけどセカンド「ガンサイト」はなかなかね。何かのリプロ盤か何かで買った気がするけど。それよりもThree Man Armyの方が大変だったな…。

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フレ
Posted byフレ

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