Badger - One Live Badger

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 メジャーどころのバンドから離脱して別のバンドを組んでってのはもちろん数多くあるんだけど、どうしても前バンドの系譜やら音楽性やらを期待して聴いてしまうのがリスナー。でも、実はその音楽性のレベルのキープを願っているだけなのかな、と最近は思う。いやぁ、簡単に言うとさ、楽曲やバンドのレベルが高ければ別にバンドが違っても構わないのかな、っていうか。どうしてもソロ作だとパワーが落ちるからダメなのが多いし、別のバンドになってもやっぱり一体感やらパワーってのが少ないから満足できないんじゃないかと。そんなことを思ったのもこのバジャーと言うバンドを聴いてからだ。

ワン・ライヴ・バジャー(紙ジャケット仕様) ホワイト・レディ

 「ワン・ライヴ・バジャー」1973年にリリースされたデビューアルバムにしてライブ盤と言う奇抜なバンド。ライブは前年1972年の12月に行われたものを記録したらしいが、そもそも名盤ラッシュを出しまくる前のイエス=即ちリック・ウェイクマン以前のイエスを支えていた鍵盤奏者のトニー・ケイが中心となって結成したのがバジャーなんだけど、しっかりとイエスを脱退してもイエスの前座でライブをやっていたらしく…、そのヘンの人間関係ってしっかりしてるんだろうな。仕事辞めたけどサポートしてもらってるって感じで、決して感情論ではなくってビジネス論で脱退したことがよくわかる。そんで、そのイエスが当時ライブ録音してたからバジャーもライブを録音してアルバムにしちゃえば?ってなことらしい。なるほど、素晴らしい発想じゃないか。そして音を聴く限りでは全く問題ないテクニックとこなれた演奏とハイレベルな楽曲が存在していて見事なもの。正直言ってイエスよりも好きな音を出してくれてる。

 メンツはトニー・ケイの他に目立つのは個人的に興味深いブライアン・パリッシュさんのギターだね。この人、ポール・ガーヴィッツなんかとも二人でやってたりした経緯があって、バジャーだとどうなるんだろ?っていうのもあったんだよ。ところがこの「ワン・ライヴ・バジャー」で聴ける音はトニー・ケイの鍵盤…しかもハモンドもシンセもあるという飽きない音色に加えて、パリッシュのマイルドなギタートーンによるハードロック的側面だったり、ブルースに影響を受けたソロを渋く決めてみたりと、割と職人芸的にギターを聴かせてくれるのが良い。しかもしっかりとツボにはまるフレーズでね、ロックしてるんですよ。おかげでバジャーと言うバンドは正に多用なジャンルに精通したバンドになってしまったのだ…。

 ライブ盤だからかね、テンション高いし、ギターもロックしてて、鍵盤ももちろん派手に動いているからもう普通のバンドよりも全然メジャー的に面白い。ジャケットはロジャー・ディーンで、アナログでは変形…中ジャケからアナグマが飛び出す仕掛けだったらしい。しかも日本でもそこそこ売れたようなことらしいのも不思議。ちなみにセカンド「ホワイト・レディ」は全く別物のバンドのような音、らしいです。



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フレ
Posted byフレ

Comments 8

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いたち野郎  

デビュー作がいきなりライヴ盤ということで、プログレ出身だから当たり前ですが、決してポップな感じではないですがイエスより耳が自然に聴いてくれるような(笑)
最初に聴いたのがセカンドのホワイトレディだったんですが、まるでソウル・バンドって趣きでした。

2009/09/29 (Tue) 01:27 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>いたち野郎さん

セカンドから入ると全く異なる印象でしょうねぇ。自分的にはイエスよりも全然オッケーなバンドですよ、うん。

2009/10/03 (Sat) 09:35 | EDIT | REPLY |   
みるぞう  

one live badgerは、LIVE盤では、第1位をあげてもよいくらい、素敵な名盤ですよ。
トニーケイ、ブライアンパリッシュ、ロイダイク・・・
素敵な実力派の集合体ですもんなお。

曲もええし、構成もええ。

2枚目のアルバムが、あかんわ。
まるで覇気のない、なさけないバンドになってしまってた。
曲はまあまあ、よいのにな。
残念なBADGERというバンドだった。

2011/09/25 (Sun) 14:49 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>みるぞうさん

セカンドは未だ聴いてないんですが、よろしくなさそうで…(笑)。
コレはやっぱり今聴いてもYesより好きです…。

2011/09/26 (Mon) 20:30 | EDIT | REPLY |   
ubieman  

セカンドはしょうもないです。ポリシーないしもっさい感じ。
私もイエスより好きです。飽きないし。

2011/10/30 (Sun) 06:25 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>ubiemanさん

酷評のセカンド、聴いてみたくなりました(笑)。
もしブログに書いたら酷評してあげてください…。

2011/10/30 (Sun) 21:36 | EDIT | REPLY |   
ドデヤ  

アルバム・タイトルは、同じくデビュー・アルバムがライブだったヤードバーズを意識しているように思えてなりません。

2ndの”White Lady”は、1stの路線を期待すればコケるという感じで、決して悪いアルバムではありません。アヴェレージ・ホワイト・バンド、第2期ジェフ・ベック・グループやハミングバード、トミー・ボーリン参加のいわゆる第4期パープルが好きな人は文句なく楽しめます。ヴォーカルにジャッキー・ロマックスが新加入して、ジェフ・ベックもゲスト参加してます。

2014/06/25 (Wed) 23:54 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>ドデヤさん

セカンドかぁ…、いずれ手を出さないとなぁ…。

2014/06/29 (Sun) 19:37 | EDIT | REPLY |   

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  •  ワン・ライヴ・バジャー
  • イエスのオリジナル・メンバーだったトニー・ケイがバンド脱退後の72年秋に結成したバンドが、この”アナグマ”という意味のバンド、バジャーでございます。 そのバジャーの73年のデビュー・アルバム「ONE LIVE BADGER」を、今回取り上げてみたりします。 ●BADGER ...
  • 2009.09.27 (Sun) 23:29 | ROCK ANTHOLOGY BLOG