Dick Heckstall-Smith - A Story Ended

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ア・ストーリー・エンディド

 更に英国ロックの重鎮達は発展する…、コロシアムのメンバーでもあり独特の笛吹奏者として名高いディック・ヘクストール・スミスもジャズメンらしく自身をリーダーに据えた作品を1972年にリリース。こういう風にソロを出すあたりは正にジャズの世界に習って、というところだろう。そして集まるメンツはもちろん勝手知ったる仲間になり、それは英国一流のミュージシャンになるワケだ。

 ディック・ヘクストール・スミスの1972年リリースの初ソロアルバム「A Story Ended」。昔はもう全然手に入らなくて見ることすらなかったアルバムで、90年代にCDでリリースされたのかな?SeeForMilesだった気がするけど、その時にも結局入手し損ねていたのでその後の再発まで聴けなかった。それが今じゃ普通に買えるんだからなぁ…良いよねぇ。その分興味が沸くとどんどん買い続けないといけないという出費の危険性も高いのだろう。

 さて、そんな経歴の管楽器奏者の作品だからもちろんコロシアムと同じような作品とメンツになるワケだ。そしてこれまで実現したくてもなかなかできなかったポール・ウィリアムスというJucy Lucyのボーカリストもここに来てようやく参加したという、ある意味では次なるコロシアムの試作品でもあったのだろうか。ギターにはクリス・スペディングを呼んでるし、鍵盤ではグラハム・ボンドを招いている。そういう面々でコロシアムの再編ってのもあったのかなぁ…。

 それはともかく、もしかしたらコロシアムの音楽性の最終完成形なんじゃないかと思うくらいに素晴らしいアルバムの出来映え。ジャズロック?いやぁ~、ブルースロック?いやぁ~、R&Bロック?いやぁ~、どっからどう聴いても大英帝国ロックです。全て詰め込まれていて、もちろん歌メロのポップさも含めて、レッド・ツェッペリンにも負けないアグレッシッブで熱いプレイとテクニック。こんなに凄いアルバムが長い間聴けなかったなんて残酷すぎる! 60年代から70年代初頭のロック好きな人だったら間違いなく熱くなる作品だし、こんなのに最初に出会っていればもっと派生バンドへの取り組み具合も変わってきただろうに。今からでも遅くないです。さっさとこの「A Story Ended」に取り組みましょう。ロックの奥深さと初期衝動とこれでこそロックだ、というのがわかることでしょう。何と言っても英国重鎮達による一大セッションですから。

 「A Story Ended」…ジョン・ハイズマンのドラムの捌き方…、クリス・ファーロウvsポール・ウィリアムスの図式、グリーンスレイドvsグラハム・ボンドなどなど一曲づつメンバーを見ながらワクワクできるアルバムって面白いよ。そしてこの人って他のバンドの時ってどうなんだろ?って思いを馳せて次のバンドを探しまくるのです…、これぞ英国ロックの奥深さ♪



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フレ
Posted byフレ

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