Mr.Fox - The Gypsy

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 アーシーな雰囲気のフォーク…っつうかもうロックだな、これは、と言うのでジャケットが秀逸なMr.Foxと言うバンドを紹介しておこう。1971年リリースの二作目にして最終作、だと思うが、まぁ、簡単に言うと二枚しかアルバム出さずに消え去ったってとこですが、この二枚がこれまたユニークな音なのでよろしい。…一般的には受け入れられていない音であることは確かだが。

ジプシー(紙ジャケット仕様) Mr. Fox/The Gypsy

 バンドのいきさつ自体はあちこち調べてみればわかるので割愛するけど、ペグ夫妻が中心になって、というかもともとは奥様のキャロル・ペグさんの方が中心となっていたみたいだけど、そこに色々と絡んできて…ってことらしい。ダンナさんの歌も入ってるんだけど、特に何か凄いとか言うのではなくて、普通の歌なので作品をちょっとマイナスにしている気がする。その辺はご愛敬ということで、やっぱりキャロルさんの歌声が…というのもあるけど、この二枚目の「ジプシー」というアルバムでは最初から7分を超える「Mendle」という曲で、これがまたド~ンという重苦しい雰囲気で展開されるサウンドだ。トラッド色もあるけどもっと深みのあるサウンドになっているのでちと変わってる。プログレというほどの展開はないんだけど、そういう世界に突入したがっているのかな、という雰囲気が出ていて結構心地良く聴ける。そして「The Gypsy」と題された組曲ではダンナの情けない歌声で始まる牧歌的な曲なんだけど、途中からドンドンとおかしな方向に進んでいって(笑)、妙~なリズムと延々と続くオルガンのロングトーンだけで進行したり…、そこから更に脳天気になったりまた落としたり…、さすがに13分もの曲ともなると何でもできます。アーティスティックとは言えるが、面白いかどうかってのは別、か。

 前半に大作が続いたのでアナログ時代のB面ではスタンダードにフォーキーな曲が続くが、このバンド結構太鼓使いなんだな、というのが目立つ。フォークなトコロにリズムがドラミング的ではなく太鼓的に用いられていてちょっと耳に付くポイント。その他はやっぱりスタンダードなトラッドに根ざした音だから、やっぱりA面の実験的な取り組みがユニークだ。インパクトもあったし、何だろ、このバンド?ってのもあったから良かったのかもしれない。まぁ掴み所の無いバンドではあるが…。

 今ではファーストとのカップリングCD「Mr. Fox/The Gypsy」も出ているのでそれで良いと思うが、何となくアルバムのAB面単位で切り分けて聴かないとちょっと混乱する、というか面白味が半減する。そういう意味で凄くアナログ的な音を作っていたバンドだもん。あ、レーベルがトランスアトランティックっていうレーベルロゴが凄く綺麗なトコロからってのはポイント高いです(笑)。

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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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papini  

これ、実家で見たことある。
というか、ジャケがきれいで、ちょうだいと言ったら
「寝言は寝てから言え」と言われた。
んで、なんか悔しいから、CD買おう、と思うんだけど
いつも忘れちゃうんだな、これ。

故に、まだ持ってなかったりする。
なんか音はあんまり記憶ないけど・・・(笑

2009/08/27 (Thu) 23:49 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>papini嬢

うん、「寝言は寝てから言え」だろう(笑)。しかしMr.Foxはともかくこの前のMushroomが家にあったら凄いわ…と思うけど多分あるだろう…。気になる…。

2009/08/29 (Sat) 10:59 | EDIT | REPLY |   

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