Mushroom - Early One Morning

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 ここのところメジャーで王道バンドを取り上げてきたし、もちろんボウイやマーク・ボランだって大物だ。ただ、英国ロックの面白くて深いところは、こんな大物から一気にアングラの誰も知らないような世界まで何となく繋がってくるというか、アプローチが同じというか…、もちろんメジャーな人達ってのは才能豊かなんだろうけど、ビジネスセンスに長けていたという人もいるし、もう人それぞれ。才能があっても売れるワケではないのはどこの国も同じ。で、才能あるのを発掘してくる確率が高かったのが70年代の英国、だろうと思う。わからんが。

Early One Morning Early One Morning....

 …とここまで書いておきながらアイルランドのアーシーなバンドから紹介♪ なんか単なるフォークって気分でもないし、とは言え全くいきなりB級のブルースロックってのも違うので、なんかなかったかなぁ~とアレコレ…。うん、これなら面白いか、と引っ張ってきたのがこのマッシュルームってバンドの「Early One Morning」です。1973年の作品でもちろんこれ一作でシーンから消え去ります(笑)。しかもこの「Early One Morning」という作品、当時は自主制作だったらしく、決してメジャーに出てくるようなバンドの方々ではなかったみたい。だからプレス枚数ももちろん少なくて、英国やアイルランドでも持ってる人が少ない、らしい。実際はわからん。

 しかしどこかの誰かがこのマッシュルームってバンドの音を気に入って、自分だけの秘蔵バンドって感じで抱え込む人が実は多かったようで、そこからこのバンドのこのアルバム「Early One Morning」が高価で取引されるアイテムになってしまったようだ。アナログ時代には軽く10万円を超える値段が付いていたこともあるし、それなら安いっていう人も多かったらしい。全くコレクター魂は素晴らしい。何故かカウンターフィット盤も出回らず…、まぁ、オリジナルが手に入らなかったんだろうけど、CD時代になっても全然出てくる気配もなく、ホント最近なんじゃないか、この「Early One Morning」がCDでリリースされたのは。

 ってな経緯ばかりが有名でして、肝心の音は?となると、これがまた確かに自主制作のレベルではなくてかなり面白くてしっかりしてる。トラッドフォークとジグ&リールな曲調が多くて、エレクトリック楽器もしっかり入ってくるので、不思議な感じ。フィドルなんてのももちろん入ってるんだけど、それら全てを何となくぼんやりとしたエコーの音像で包んでどこかアシッドな雰囲気を出しながら…ってこれは多分録音状態の問題だろうけど、これもまたユニークな雰囲気で、ゆったりと浸って聴ける音楽です。もしかしたら名盤的な音世界なのは確かなので、こんな自主制作アルバムが30年経ってもマニアに聴き続けられるハズだと思うくらいの雰囲気はある。実際自分も聴いてみて驚いたし、何回も聴いた作品だもん。もうちょっと涼しくなってからの方が気分的にはハマる。

 ジャケットもチープながらインパクトあって良いよ。キノコ好きじゃないからあまり見たくないけど、面白いなぁと。これじゃどんな音が全然想像付かないっていうフラットさもユニークで、何の期待もしないで聴いたらとんでもなく良いっていう印象を与えられるジャケットだもん。狙ってないだろうけど、バンド名からしてそうなっただけと言いつつも結果はかなりの効果を発揮しているよ。あぁ、しかしこういう世界ってアルバムをず~っと聴いているとどんどんハマる。んでリピートしちゃうんだよな…(笑)。

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フレ
Posted byフレ

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