
遅れてきたパンクバンドとしてデビューを果たしたザ・ポリス。…と言っても本当にパンクだったわけじゃないのは今や誰もが知っているところだし、今更ポリスってパンクだったの?って言われると困るので敢えて触れないで進めたいんだけどね(笑)。アニマルズに在籍していた経歴もあるアンディ・サマーズの特徴的なギターと英国プログレバンドの後期
カーブド・エアー
のドラムに座り、美しきお転婆娘ソーニャ・クリスティーナをモノにしたオトコ、スチュワート・コープランドと英国ジャズシーンでは若き獅子でもあったスティング(ポリスのデビュー前は教師だったり映画
「さらば青春の光 」
に出演していたりと多才ぶりを発揮していた)がベースと歌を担当し、目指した方向はレゲエとパンクのエネルギーとエッセンスを取り入れたロックバンド。故にザ・クラッシュのようにパンクの衝動からレゲエ、ダブ、スカというサウンドへ傾倒したサウンドとは大きく異なり、最初から狙ってロック路線を走っているのでかなり音楽的なオリジナリティが強く、その才覚は見事に1983年発表の名盤
「シンクロニシティ」
で一般市場を巻き込んだ大成功を収めるってワケだな。
で、今回はその名盤
「シンクロニシティ」
は置いといて、更に後にリリースされたあまりにも遅れてリリースされた初のライブアルバムに焦点を当てたい。だってさぁ、他のこの辺のバンドって演奏下手だからライブ盤なんてまともなの少ないし、そもそもあまりリリースされてないんだと思うけど、このバンドは演奏は巧いのにライブ盤がなかったっていうバンドなんだもん。だからライブ盤聴くと凄く燃えるんだよな。その名もズバリ
「The Police Live!」
だからさ。でも、このライブ盤の偉いのは、しっかりと二枚組なんだけど一枚目は1979年のボストンのライブ、即ちほとんど最初期のライブだよね、これを収録していて、二枚目は一気にメジャーになった1983年アトランタのライブを収録しているので、正に全盛期のゴージャスなライブをしっかりと聴けるんだな。1979年のボストンの方は録音も甘いし音もまだまだ改善点はあるだろうって感じだけど、細かいことは抜きに初期衝動の勢いはしっかりと感じられる熱いライブ。いいね。ロックはこうじゃなきゃいかん。途中は結構プログレッシブな展開にもなるので、やっぱその他パンク系とは大きく異なるよね。ある意味トリオでこんなZep的演奏が聴けるってのも面白い。ん?Zepも演奏だけならトリオか(笑)。二枚目の1983年のライブはホント全盛期だからホーンセクションもコーラスのお姉ちゃんもいたりするので正にエンターティンメントではあるんだけど、3人の個性はまったく消されていなくて更に浮き出ているし、演奏面の巧さ、バンドとしての一体感、アレンジの面白さなどもの凄い成長度が感じられるんだよな。この時期メンバー凄く仲悪かったらしいんだけど、やっぱよくわからん。しかし演奏を聴いているとホントに名曲のオンパレードで素晴らしいね。曲も面白いからなぁ。
一時期4枚組の
ボックスセット
なんてのも出ていたんだけど、これも全アルバム聴けて便利な代物だった。まあ、全部揃えても5枚しかないんで手頃なバンドだしね。しかしホント、
ライブ盤
は面白いなぁ。これぞロック。
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