David Bowie - The Man Who Sold The World
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デヴィッド・ボウイという人は不思議だ。ジギー時代だけを見れば特にそうは思わないがそれ以前となるとやっぱり不思議な人という印象。マージービート全盛期に出てきてはいたものの全く売れずにそのまま消沈、マイムの世界を歩きながら今度は三人で活動、その間にイメージフィルムとした短編映画みたいなのにも出演している。まぁ、演劇的な要素に興味の方向が強かったのでそういうのがいくつか残されている。だから初期のボウイを漁るとそのヘンの若々しい姿が見られる。そしたら今度は「スペース・オディティ」で一躍スターに…、これはもうアポロ11号の月面到着時の影響だろうけど、歌詞はかなり意味合いが異なるのでどうなの?とは本人の弁。それでもボウイ自身の退廃的な生活は直らず、そのままセカンドアルバムとして、これもまた傑作「世界を売った男」がリリース。この時点で既に後のSpiders From Marsのメンツが揃いつつあることとなる…。

The Man Who Sold the World
1970年リリースの「世界を売った男」。タイトルが凄いよね。お前は世界を持っていたのか?と問いたくなるような代物だが、内容がこれまた素晴らしくロックでして…、しかもこの時代特有のアングラさではなく明らかに一線を画したメジャーフィールドに鋭い破片を投げかけるような作品。洗練されていて且つ時代に沿ったアグレッシヴな演奏もこなしている。それは冒頭の飽きることのない素晴らしくロックな「The Width of Circle」の8分以上もの演奏からしてわかるでしょ。初っ端から8分のワイルドな音ってどうよ?ロックに目覚めてきたな~というか、まだまだアコースティックもいっぱい入っているんだけど、明らかにエレクトリックなロックの世界、それにしてもベースのミック・ウッドマンジーのブイブイさも凄い。そしてボウイが不思議なのはどれもこれもがデヴィッド・ボウイという名義で続けていることだ。これほどのバンド感を出しながらバンドはバンド、として扱っているのが凄い。時代的にはどう見てもバンドであるべきだし、メンツも実際そうなっているのにやっぱり個人だったんだよね。結果は正解だったワケだけど、センスが凄い。そんな風に冒頭三曲はグイグイとロックなプレイで進んでいくんだが、「After All」で一気にこの後もボウイが奏でていく美しくも妖しい、そしてメロディアスながらも鋭い独特の歌が聞こえてくるのだ。こういうのがボウイの個性かねぇ…。
そうそうジャケットがさ、面白いことに日本盤、アメリカ盤、英国盤って全て異なっているのも不思議なんです。英国盤がオリジナルなんだけど女装してソファに横たわる姿はあまりにも倒錯的だということでアメリカでは見送られて、変わりにどうでもよいマンガチックなジャケットに差し替えられていて、中身の神秘性が全く損なわれてしまったというもの。日本は…、まぁ、この時代だからいつものことながら独自ジャケ路線だったんだろうけど、片足上げてモノクロのヤツね。まぁ、悪くない。昔は英国仕様のジャケットなんてのがレコ屋に飾られていて5万円とかの札が付いてたのを見かけてた…。
さてB面…、「The Running Guns」から「Saviour Machine」なんてもう往年のハードロックと言っても差し支えないくらいの迫力満点のロック。ボウイの声が軽過ぎる感じでねぇ…、意外と聴かれないしライブでも出てこないからマイナーな曲だけど面白いんだよ、こういうの。英国的B級サウンドとも言うべきか(笑)。それは続く「She Shook Me Cold」にも引き継がれていくんだけど、単にそれぞれの楽器の個性が強くて纏まりきらないってのかな、自己主張が強いっつうのか(笑)、好きだねぇ~、こういうの。そしてタイトル曲「世界を売った男」となるが…、自分がボウイという人を聴くきっかけになった曲でもあります。あ、ニルバーナのカバーとは全く無縁でして、もっと前の話でね。もちろん「Let's Dance」とかあったからガキの頃から名前は知ってたけどマジメに聴く感じではなかったんだよね、ボウイって。やっぱソロだったからバンドの印象ないし。でもね、この「世界を売った男」を聴いた時にこれは面白い、って思ったんだよ。艶めかしいギターの音色と不思議な浮游感、そして軽いボウイの歌声で、サイケってんでもなくってさ、何というのかトロ~ンとしてるっつうか(笑)、聴いたことのない世界を持った曲だったから。そんでタイトルが「世界を売った男」でしょ?なんじゃこりゃ?ってね。
ボウイのアルバム数あれど、「世界を売った男」は間違いなく上位3枚に入るアルバムのひとつですね。「ハンキー・ドリー」も恒例なんだけど、とにかく心の奥深くに入ってくるようなアルバムで普通のロックアルバムという感覚では聴いてない、不思議な人の不思議な作品。



1970年リリースの「世界を売った男」。タイトルが凄いよね。お前は世界を持っていたのか?と問いたくなるような代物だが、内容がこれまた素晴らしくロックでして…、しかもこの時代特有のアングラさではなく明らかに一線を画したメジャーフィールドに鋭い破片を投げかけるような作品。洗練されていて且つ時代に沿ったアグレッシヴな演奏もこなしている。それは冒頭の飽きることのない素晴らしくロックな「The Width of Circle」の8分以上もの演奏からしてわかるでしょ。初っ端から8分のワイルドな音ってどうよ?ロックに目覚めてきたな~というか、まだまだアコースティックもいっぱい入っているんだけど、明らかにエレクトリックなロックの世界、それにしてもベースのミック・ウッドマンジーのブイブイさも凄い。そしてボウイが不思議なのはどれもこれもがデヴィッド・ボウイという名義で続けていることだ。これほどのバンド感を出しながらバンドはバンド、として扱っているのが凄い。時代的にはどう見てもバンドであるべきだし、メンツも実際そうなっているのにやっぱり個人だったんだよね。結果は正解だったワケだけど、センスが凄い。そんな風に冒頭三曲はグイグイとロックなプレイで進んでいくんだが、「After All」で一気にこの後もボウイが奏でていく美しくも妖しい、そしてメロディアスながらも鋭い独特の歌が聞こえてくるのだ。こういうのがボウイの個性かねぇ…。
そうそうジャケットがさ、面白いことに日本盤、アメリカ盤、英国盤って全て異なっているのも不思議なんです。英国盤がオリジナルなんだけど女装してソファに横たわる姿はあまりにも倒錯的だということでアメリカでは見送られて、変わりにどうでもよいマンガチックなジャケットに差し替えられていて、中身の神秘性が全く損なわれてしまったというもの。日本は…、まぁ、この時代だからいつものことながら独自ジャケ路線だったんだろうけど、片足上げてモノクロのヤツね。まぁ、悪くない。昔は英国仕様のジャケットなんてのがレコ屋に飾られていて5万円とかの札が付いてたのを見かけてた…。
さてB面…、「The Running Guns」から「Saviour Machine」なんてもう往年のハードロックと言っても差し支えないくらいの迫力満点のロック。ボウイの声が軽過ぎる感じでねぇ…、意外と聴かれないしライブでも出てこないからマイナーな曲だけど面白いんだよ、こういうの。英国的B級サウンドとも言うべきか(笑)。それは続く「She Shook Me Cold」にも引き継がれていくんだけど、単にそれぞれの楽器の個性が強くて纏まりきらないってのかな、自己主張が強いっつうのか(笑)、好きだねぇ~、こういうの。そしてタイトル曲「世界を売った男」となるが…、自分がボウイという人を聴くきっかけになった曲でもあります。あ、ニルバーナのカバーとは全く無縁でして、もっと前の話でね。もちろん「Let's Dance」とかあったからガキの頃から名前は知ってたけどマジメに聴く感じではなかったんだよね、ボウイって。やっぱソロだったからバンドの印象ないし。でもね、この「世界を売った男」を聴いた時にこれは面白い、って思ったんだよ。艶めかしいギターの音色と不思議な浮游感、そして軽いボウイの歌声で、サイケってんでもなくってさ、何というのかトロ~ンとしてるっつうか(笑)、聴いたことのない世界を持った曲だったから。そんでタイトルが「世界を売った男」でしょ?なんじゃこりゃ?ってね。
ボウイのアルバム数あれど、「世界を売った男」は間違いなく上位3枚に入るアルバムのひとつですね。「ハンキー・ドリー」も恒例なんだけど、とにかく心の奥深くに入ってくるようなアルバムで普通のロックアルバムという感覚では聴いてない、不思議な人の不思議な作品。
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