The Rolling Stones - Black And Blue



同じスタジオながらもバンドが違うとこうまで音が違うのかというのは当たり前と言えば当たり前だが、そんな身近な逸話があるので何となくの共通項を探してしまうじゃないか。ただ、間違いなくツェッペリンの方がラフで音がデカくてロックだ、ってのを感じたくらい。それはともかく、この「ブラック・アンド・ブルー」期は有名な話でして、前任のミック・テイラーが突然脱退表明したおかげでレコーディングが滞っていたというものだ。次期ギタリスト候補にはジェフ・ベックやロリーギャラガーなどの名前が挙がり、実際にセッションしていたらしい。他数名のギタリストは実際に「ブラック・アンド・ブルー」のレコーディングにも記されているのもある。それはもう単に入社試験だからなぁ…。結局どこの世界も同じで顔見知りだったり知ってるヤツ、いわゆるコネってのが一番重要で、ロン・ウッドになるワケだ。今となっては正解だった事は一目瞭然だが、そんな最初の作品です。と言うか、コレ、聴いてると分かるけど、何かのセッションアルバムみたいな雰囲気を醸し出しているのは事情が事情だからしょうがないのだろうか?それでもミックとキース主導ならば問題ないはずだが。
最初の「Hot Stuff」からして誰これ?ってな感じで、レゲエナンバーの「Cherry Oh Baby」なんてどこにストーンズ色があるんだ?ってなモンだ。アルバム一貫して声がミックじゃなかったらワケの分からないアルバムだったろうと思う。ところが、ミックの声なのは事実で、特色のある曲を除けばもちろんストーンズらしいアレンジも聴けるのは当たり前。聴いててホッとするのは「Memory Motel」あたりで、ストーンズらしいと言うトコロだ。何か、ストーンズらしい曲とレゲエとかに影響されまくったのが交互に同居している感じで、当時の周辺の音楽の影響力ってのがよく分かる。レコーディングが1975年頃だろうから、その前後にこういうのが出てきたのだろう。クラッシュの連中がレゲエを血肉にしたのも多分似たような頃だし、クラプトンがボブ・マーリーをカバーしたのもこの頃だ。だから結構流行に敏感なストーンズのアルバムがこうなってもおかしくはない。ただ、今となってそういうアプローチは何だったんだろ?と思うと少々疑問。それでもそうやってバンドは生き残ってきたんだから良いと言えば良いのだろう。
そんなワケで最近何度も何度も再発が試みられるレーベルの意図は別として、ストーンズのアルバムの順位の中では相当下の方に位置するとは思う「ブラック・アンド・ブルー」だが、アプローチの手法や消化の仕方を聴いている分には面白いかも。
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