Martha Velez - Fiends & Angels


1969年リリースの「悪魔と天使」という意味での「Fiends and Angels」というタイトル。「友達と天使」ではないですが、割と間違えやすい。こうして見るとアメリカ盤の方がジャケットにインパクトがあるのは確かだ。彼女自身は英国人だが。ただ中身の声を聴いてしまうと、アメリカ盤のジャケットのインパクトの方が正解だろう、っていう感じはする。
もうねぇ~、思い切り好みの音で、そりゃ、マイク・ヴァーノンのプロデュースなので思い切りブルースに決まってる。しかも彼女はジャニスが脱退した後のThe Holding Companyにボーカルで加入のウワサもあったくらいの迫力絶叫系ボーカルのお転婆お姉ちゃんだから、聴いていて吹っ切れてて心地良い。マギー・ベルほどの凄みはないけど、それでもかなり面白い域に達していて正に60年代後期の英国ハードロックってなモンだ。あ、バックがね。
そのバックバンドもマイク・ヴァーノンの力による結集ものだが、なんと思い切り全盛期のクリームの面々からクラプトンとジャック・ブルースを呼び込み、この二人にはジム・キャパルディのドラムと絡ませて思い切り激しく派手なブルースロックを何曲も展開してくれる。正直言ってマーサ・ベレズの歌声など全く耳に入らないくらいに二人の演奏に耳が行ってしまう。やっぱりこの頃は凄いわ。それとマイク・ヴァーノン絡みなのでフリーのポール・コソフも参加しているが、これもまたジム・キャパルディやクリスティン・マクヴィのピアノと絡めて元々スワンプ系への参加が多いポール・コソフのこれまた全盛期のアグレッシヴでタメが聴いたギターが聴ける代物。それと何曲かではスタン・ウェブのブルースギターも聴けるので、当時のブルースギタリストとしてロック界に名を馳せようとしていたメンツが揃っている。なんともまぁ、豪華なアルバムになった事だろう。
あまりにもゲスト陣が豪華なので肝心のマーサ・ベレズについて語られる事が少ないけど、ミックスの問題も大きいよ、多分。自分的にはかなり好きなタイプのボーカルで、もっとこういう弾けた音を歌ってほしいし、どんどん作品をリリースしてほしかった。何枚か他にもリリースされてるけど、そこまで追いかけ切れていない…って事はそれほど入れ込んでないのか。
いやいや少なくともこのアルバム「Fiends and Angels」については歌もかなり楽しめる作品です。まぁ、ゲスト陣が凄すぎるけど…。
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