Curved Air - Second Album

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 今からしたらあまり考えられないんだけど、カーヴド・エアーというバンドのシングル曲が英国で4位にまでチャートを登って売れまくったって時期があったらしい。1971年頃のお話らしいんだが、カーブド・エアーってそんなにポップだった時期があったっけ?なんて思ってみてもなかなか思い浮かばない。はて?と思うんだが、それを知った頃ってのはまだCD再発してなかったからカーブド・エアーなんて全然手に入らなくて、アナログでちまちま探して買ってたけどセカンドアルバムはオリジナルが変形ジャケットでリリースされていたことで有名だったので、その変形ジャケットのが欲しくて買ってなかったんだよね。見つけても7000円くらいだったからすぐには買わなかったのもあるが…。

Second Album Live
Curved Air - Second Album Second Album
Curved Air - Phantasmagoria Phantasmagoria

 そんなカーブド・エアーの「Second Album」というタイトルズバリの二枚目です。改めて聴いてみても全然ポップじゃないし、とても売れるアルバムとは思えない(笑)。シングルカットで売れたという「Curved Air - Second Album - Back Street Luv Back Street Luv」にしても全然キャッチーじゃなくてなんで売れたんだ?ってなくらい。そもそもこのバンドってもの凄く実験的要素の強いバンドだからヘンなんだよね。フランシス・モンクマンとソーニャ・クリスティ-ナ、ダリル・ウェイで全てが終わる、みたいなさ。ソーニャは演劇出身だからケイト・ブッシュと似てるかもしれないけど、そこまでのシャープさはなくってもっと艶めかしい人で…、いや、どの写真見ても色っぽいもん(笑)。まぁ、要するに艶で先にリスナーを惹き付けたアイドルみたいなもんだろうけど、その分バックの音楽家二名が好き勝手に実験的音楽を創っていったという、今で言うパフュームみたいなもんか(笑)。

 それ故にこの「Second Album」もアーティスティックな創りになっていてA面がダリル・ウェイの作品集、B面がフランシス・モンクマンの作品集。どちらにも言えるのがフランシス・モンクマンのギターよりも鍵盤、それもVSCシンセサイザーに比重が置かれているってことだ。ダリル・ウェイのエレクトリックバイオリンはもちろん妙~にアシッドな雰囲気を醸し出しているんだけど、そこにVSCシンセが絡むから余計にアシッドになるし、更にそこにソーニャの艶めかしいエロ系の歌声が絡むから、やっぱり普通じゃない音世界になるわな…、と。その分躍動感やポップ感やロック感ってのはかなり欠如するモノになるんだけど、きっとトリップしているヤツには心地良いアルバムだろう、ってなモンだ。芸術的すぎるアルバム、とも言えるが…。そして最後に13分弱にも及ぶ大作「Piece of Mind」を披露するんだけど、これがこの時期のカーブド・エアーというバンドを象徴している。名曲とは思わないけど、凄く雰囲気たっぷりムードたっぷりでアーシーな雰囲気を表現してくれている。マジメに聴いているとホントにどこかに行きそうな音世界だもん。絶対レコーディング中にはキメていたに違いないと思うんだけどどうかね?

 この「Second Album」までのカーブド・エアーが一番実験的だった。シングルヒット「Back Street Luv」があったからこんなことも他のバンドよりも自由に出来ただろうし…、しかもレーベルはワーナーだったんだから余計に驚く。そんで次の「Phantasmagoria」で一気にバンドとして開花するってところ。個人的にはやっぱりその後のライブアルバム「Live」が好き。



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フレ
Posted byフレ

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