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7 Comments
 カネに釣られてポップ化しただろう、お前らっ!って言われたバンドも時が流れ、結局音楽そのものを評価されることとなり、当時の裏切り者呼ばわりの辛い思いってのも報われたのかもしれない。そういうバンドの代表でもあったエイジアやイエスやジェネシスってのは実力があったからこそ売れたかったんだろう。それでもロック的魂があったEL&Pなんてのは上手く転身しきれなかったしね。まぁ、そういうことで、まずは当時叩かれまくったエイジアの面々…云わずと知れた、プログレの大御所さん達が集まって、しかもジャケットはロジャー・ディーンによる如何にもなスーパーバンドだったのです。

詠時感~時へのロマン Anthologia: The 20th Anniversary/Geffen Years Collection (1982-1990)
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Asia - Anthologia - The Geffen Years Collection (1982-1990) The Geffen Years Collection (1982-1990)

 1982年発表の期待のスーパーグループ、エイジアによるファーストアルバム「詠時感~時へのロマン」。レコードに針を落とす前からこの面々によるスーパーな衝突を期待して聴くが、何と云うのかプログレバンドのそれぞれの猛者達の過去のカタログからどういう系統の作風かを探索して自分なりに答えを導き出してみる…、が、全く見当たらない。どうも違う…。するとヒットチャートに顔を出してきてこれがポップスだということに気付くのだった…。

 いやいや、そうは言わないけどさ、それくらいの期待度で裏切られた、ってことです。普通に聴けばもの凄く良くできてて聴きやすくて爽やかだし、アメリカでもばっちりでしょう、ってなくらいに出来ているし…、これほどのコーラスワークも凄いって思うしね。元々ジョン・ウェットンはポップな指向があった人だし、一番驚いたのはスティーヴ・ハウかな。あれほどのテクニックなのにギタリスト指向に走らずにこういうエイジアの音をやっているってのはやっぱカネのためって感じしちゃうかな。他のメンバーは割とそのままって気がするもん。カール・パーマーはそれほど音楽的指向性が強い人でもないだろうし、ジェフリー・ダウンズはもしかしたらキーマンかも…。そう考えてみると納得度が高いハズ。

 そんでもって、ファーストアルバム「詠時感~時へのロマン」なんだが…、名盤じゃないか、これ。透明感溢れる良質ポップスだけど確かなテクニックと所々に散りばめられた凝った要素が強者達のこだわりとして聴けるロック。うん、ロックですよ、これは。音デカイし。再結成してツアーやって…とファンが望んだのもよく分かるね。



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フレ
Posted byフレ

Comments 7

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ryo  
コテコテ

あまりにもポップな音で面喰った感もありますが、普通に良いアルバムだと思います。
凄いメンツですが、そこを考えなくても名盤ですね。
そのあまりのコテコテ感に嫌いな方も多いようですが(笑)。

2009/07/24 (Fri) 22:34 | EDIT | REPLY |   
ドイツ特派員  
好きですねえ、Asia

フレさん、

このバンド、とにかく曲とJohn WettonのVoを聴いていれば私は幸せ。この次の「Alpha」でもそうですが、良く聴くとSteve Howeは結構へロってるしCarl Palmerのバスドラも危ないんですが、曲の良さ、歌の良さが全てを消していますねえ。

2009/07/25 (Sat) 08:43 | EDIT | REPLY |   
papini  

ジャケも中身もすごい好きな音盤だ。
そうね、たしかに期待はずれ的なところはあったんだろうなぁ(笑
このメンツでこれ!?的な(笑

アタシはまったく、なんていうか思いっきり後追いだし
これ聴いたとき、このメンツは知ってたけど、そうショックを受ける、って感じでもなかったしなぁ。
まあ、メンツ知らないでジャケ見て買ったからな、これ(笑
中身見て、ああ、この人達なんだ、って(笑

2009/07/25 (Sat) 09:13 | EDIT | REPLY |   
SANE  

完全に後追いで聴き始めましたけど1発で好きになりました。
リアルタイムで聴いてたらハウがこれをやるイメージは出来なかったでしょうねぇ。
ボクは夏がどんなに暑くなっても海やプールに行かないでコイツを聴いてたほうが
気分爽快になります(笑)

2009/07/25 (Sat) 12:24 | EDIT | REPLY |   
フレ  
多々ありがとうっ!

>ryoさん
普通に良いアルバムなんだけどメンツの過去の歴史からしたら驚いたってとこで、普通に聴けば、ね。爽やかだし。でも、どこかこれでいいのか?ってのはある(笑)。

>ドイツ特派員さん
あ、意外かも…。特派員さんこういうの受け付けないと思ってた(笑)。そうか、ウェットンのVo.で大丈夫なんだ…。いや、もちろんトータル的なのが大きいだろうけど…、ちとびっくり。

>papini嬢
そう、このメンツでコレ??って。いや、自分は普通にポップスとしてエイジア聴いてた世代で、そっから後追いだから余計に驚いた。しかしやっぱジャケからでも手に入れたくなる作品ではあるわな。しかし、そういう出会い方ってのは良いかもしれん。多分親父さんの小言がいっぱいあったと思うが…(笑)。

>SANEさん
そう、ハウがなんでここに??って感じ。確かに水際よりも清涼感ある音だもんなぁ…でも英国的ってのがまた面白いけど。う~ん、やっぱ音楽はしっかりしてるからね。

2009/07/27 (Mon) 22:16 | EDIT | REPLY |   
akakad  

ハウのベストプレイといえばRoundaboutやClose To The Edgeなどいろいろあると思います
でも私的にはここのCutting It Fineなんです
終盤のジェフのソロになるまではほとんどリードでかつリズムもフレーズも複雑に絡みつくのが凄くてさらにそれをコンパクトにまとめているところが凄いなと
ZepのThe Song Remains the Sameに通ずるところがあるなと思いました
あっちも弾きまくりですごいんですけどこのくらいとっつきやすい方が好みです

2016/08/26 (Fri) 21:44 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>akakadさん

「Cutting It Fine」と「The Song Remains the Same」の類似性!
いや、なるほど…初めて気付きました(笑)。

2016/09/04 (Sun) 09:00 | EDIT | REPLY |   

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