



女性ロッカー数多しと言えども、全く女の色気をウリにしないでロックンロールを体現できている人も珍しい。そんなロックンロールな女性クリッシー・ハインド率いるザ・プリテンダーズの小粋なチューンに胸キュンでした(笑)。初期4枚まではどれも好きだったので、バンドメンバーを二人も亡くした悲劇やプロデュース面での問題、またキンクスのレイ・デイヴィスとの恋愛、出産、その間に一緒に日本公演を実現という嬉しい出来事なんかも含めて彼女の生き様だったのかなとどこか同調すべき部分は多い。特にレイとの恋愛についてはプリテンダーズの
ファーストアルバム
には「Stop Your Sobbing」のカバーが収録されているし、
セカンドアルバム
には「I Go To Sleep」というキンクスでは発表していなかった作品を取り上げて歌っているというファンとしての力の入れ方だったくらいレイ・デイヴィスのことが好きだったらしい。それが一緒になり、子供も産んでしまう関係ってのは凄いなぁと他人事ながらマジマジと思ってしまう。
そんな雑念が囁かれるものの、音を聴くときにはこういった出来事もプラス要因として入ってくるので、ま、やっぱりロックってのは知識だな(笑)。
三枚目の「Learning To Crawl」
はクリッシーが先ほどの自分の子供がハイハイするのを見ていて付けたアルバムタイトルで、4枚目の
「Get Close」
は新たなダンナとの子供のことを歌った「My Baby」ってのもあるんでこの人の作品は何かと彼女の人生のナマナマしいトコロと密着しているようで、それが凄くロックっぽい弱さっつうか、共感しやすい部分なんだろう。今回はそんな彼女の作品の中でも復活のきっかけとなったいわゆるアンプラグドものでもある
「Isle Of View」
を取り上げてみようかな。もちろん初期の作品が基本となっちゃうんだけど、どれも良いからさ、
ベスト盤
でも手に入れてくれるとその良さはわかるし、そんでいいんだけどなかなか新しめのこういうアンプラグドものとかって往年のファンの人でも手を出してないかな、って思うので(笑)。ま、自分も、だけど♪
「Isle Of View」
と題された作品はジャケットの通りにクリッシーがアンプラグド形式でプレイした作品で、ベスト選曲的になっているので往年のファンも聴きやすい。どこか悲愴感を持ちながらロックを奏でる彼女の作品中でもっとも優れた作品のひとつである「Back On the Chain Gang」や「Kid」なんてのは心から感動するし、元曲の良さを再確認できるくらいのものだ。残念ながら個人的に大好きな「Middle Of The Road」や「Time The Avenger」は入ってないけどさ。あとね、CDには入ってないけど
DVD盤
には収録しているRadioheadっつうバンドの最高傑作「Creep」をカバーしているので、これもぴったしハマっててさすが姉御、かっちょいい。さらにブラーのデーモン・アルバーンと二人の共通項でもあるレイ・デイヴィスの作品「I Go To Sleep」をふたりでデュエットして歌っているのもなかなか○。んなことで
DVD盤
の方がオススメではあるかな。でも、まあ、結局
ベスト盤DVD
も見ちゃうんだろうなぁ。
ちなみにこの人アメリカ人なんだけど、元々新聞記者でイギリスにいたことからミック・ジョーンズにギターを教えてたとかあって、イギリスのパンク発祥をナマで見ているからセンスがイギリスなんだよね。バンド結成は78年でメンバーはみなイギリス人だったワケ。
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