Praying Mantis - Time Tell No Lies

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 NWOBHMと云う単語は知っているものの、実際にそこに属するバンドの音を聴くということはそれほど多くなかった。まぁ、有名なのはアイアン・メイデンとかデフ・レパードとか、せいぜいサクソンくらいなもので、その他多くはアルバム1枚で消えていってしまったとか自主制作でせいぜい頑張ったくらいというようなもので、ある意味英国のロックシーンの特性なのかもしれない。ヴァーティゴやネオンなどのレーベルが出てきた70年代のロックシーンと似たようなもので、そこまでバンドの数は多くなかったしシーンも長々とは続かなかったからというものだが、それでもやはり良いバンドはあるのかもしれない…。

Time Tells No Lies ベスト・アルバム

 ってなことからちょっと興味を覚えてプレイング・マンティスの名盤と呼ばれるファーストアルバム「Time Tells No Lies」から聴いてみることに。1981年リリースの作品で、後に語り継がれる程の名盤と言われ、更にNWOBHMの要素全てが集約されていると言われているのだから、これで大体わかるだろう、ってな理由なんだが…。

 なんてこった!驚くほどに素晴らしい曲ばかりじゃないか!

 ってのが感想でして(笑)、ホントにこんなに素晴らしいアルバムだったのかと驚いた。NWOBHMの要素がどうの、っていうよりも紛れもなく英国ロックの流れを受け継いでいて、英国的なメロディと空気感とセンスで出来上がっているアルバムなのだ。叙情的なメロディや哀愁漂う旋律などは正しくウィッシュボーン・アッシュ直系とも言えるもので、「Lovers To The Grave」っつう曲ではモロにそのままのサウンドが聴ける。そして感動できるくらいの完成度の高さというところがこのシーンの充実度を物語っているところか。後半のスピード展開も見事に美しくコーラスワークが展開されているし、素晴らしい曲だ。こんだけのものを聴かせられるバンドが眠っていたとは知らなかった…。

 もっとも他の曲について言えば疾走感溢れる曲もあるが、どこかハジけ切れてない感は否めないし、録音もそれほどよろしくないという残念な部分もある。それでもギターフレーズの組み立て方や楽曲構成や展開などはこの時期の他のどこを見渡してもあまり見られないモノが多く、ドラマティックに仕上げているところが早すぎた構築美だったのかもしれない。

 「Time Tells No Lies」…なんてこった、凄く良いじゃないか!アイアン・メイデンよりも傑出している作品かもしれんし、デフレパよりも面白いのは間違いない…。正しく英国のハードロックを継承したバンドで、正に直ぐ後にくるHR/HMの波を繋いだバンド。全盛期のウィッシュボーン・アッシュにクイーンのコーラスワークを加えてマイケル・シェンカーのギターを入れたものっていう表現でわかる?いや、それくらい面白い作品♪





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フレ
Posted byフレ

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