Neil Young - Harvest

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 ついでだから結構不得意なジャンルの名盤なんてのをアレコレ挙げてみようかという自虐的ネタに突入…、GW終わりかけてるし、何かを無くした気分に浸るのも良いだろう(笑)。いやぁ、昔から名盤と呼ばれているものでもピンと来ないのが結構ありまして、自分の感性のズレだという認識だったんだけどね、まぁ、結局土地柄による好みの問題かと。それと、自分の性質とロックに対する希望と夢が合致してくれないと、っていうのはあるかな。いや、ロックってかっこよくないとダメなんだよ。抜けてるのは自分的にはイマイチ。美しくかっこよく、ってのがロック。だからこの辺の不得意分野ってのはそういうのが欠けていて幻想で終わっているというか、実現性がないというかそのままというか…。

ハーヴェスト <SHM-CD> アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ <SHM-CD>
Neil Young - Harvest Harvest

 大御所ニール・ヤングの名盤と言えば「ハーヴェスト」か「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」のどっちかと言われ、どっちも手を出したけど、そして何度も聴いたんだけど、確かにその抜け具合とか郷愁、哀愁、ノスタルジック、生身でさらけ出した弱々しさに宿る真実味など当然ながら通じるモノは多いし、歌手として、音楽としてはとてもとても優れたアルバムだし、心を揺さぶる音楽であることは間違いない。名盤と言われるはずだ。

 うん、音楽的なんだよ、相当に。あ、今は「ハーヴェスト」の方です。当時ヒットした「Neil Young - Harvest - Heart of Gold Heart of Gold」なんてリンダ・ロンシュタットとジェームズ・テイラーなんてのも参加していて、この頃のフォークシンガーブーム的な象徴でもある。非常に名曲と言われるのもわかる。けどちょっとなぁ…、白々しい暗さというか、ま、時代だな。アルバム全体的にはもちろんアメリカン…、ナッシュビルの録音らしいからそういう雰囲気はたっぷりと出ているんだけど、ここまで抜けてしまうとロックと違うんだよね、自分的に。もちろんそういう音楽もありで、カントリーとして聴いてみても良いんだけど、そこまでの覇気はない。多分その投げやり感や力の抜け具合=レイドバック的な音が好まれるのだろう。歌詞も相当に優しいらしいがそこまで追求したことはない。顔の恐さと歌声のギャップが激しいというのは知っているが(笑)。

 ディランはもっと覇気があったが一辺倒、ニール・ヤングは多彩で多芸だが音が弱い。なかなかアメリカのロックと呼ばれるものは難しいものだ。そういう気分に浸るときには染み込む音だろうから、タイミングによっては非常に心の友となる音楽だが、自虐的な自分はそういう時に激しい音を求めるし、もっと言えば中途半端な優しさなぞを求めずにトコトン自虐的に暗いものを聴くので、こういう救ってくれそうな音は聴かなかった…、やっぱ縁がないのかもしれない。

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フレ
Posted byフレ

Comments 12

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いたち野郎  

僕もしっかり聴いたのはこのアルバムとその前後くらいなんですが、声やギターの音はやたらひ弱な感じですよね。
自分のところでも書いたんですが、アメリカSSW出とは思えない洗練されなさが良い風に感じるというか(笑)  それにしてもこの二枚って日本でも人気ある感じなんで、やはりその時代の音なんでしょうね…

2009/05/09 (Sat) 01:44 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>いたち野郎さん

ひ弱さが良かったり洗練されなさが良かったりするんだろうなぁ、とは思うんですけどね。まぁ、ポップの世界ではありかな~などと勝手に解釈してます(笑)。この二枚は有名ですよね、ホントに。

2009/05/09 (Sat) 09:42 | EDIT | REPLY |   
LA MOSCA  

俺は、ディランよりはこの人かな?
作品によって結構変わる人で、この2枚もいいけど、
90年代初頭の轟音ギター炸裂の『ウェルド』ってライブ盤が一番好き。
ジャンルは違うけど、この震えるような声とギターは
後のNYパンクのトム・ヴァーラインにも共通するモノを感じますね。

2009/05/17 (Sun) 13:34 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>LA MOSCAさん

おぉ~そうですか…。しかも90年初頭のアルバムも聴いているってのは素晴らしい。トム・ヴァーラインの世界も割と苦手なのでこの辺は好み出ちゃいますね(笑)。

2009/05/17 (Sun) 20:45 | EDIT | REPLY |   
shomuyu  

はじめまして、ブログ拝見しました。私は二ールヤングのなんともへろへろな歌声が好きな為、大好物です。声質とフォーク経由の音作りに好みはあるかと思います。
ただ、この2枚の後の数枚にこそ、二ールのおいしいところが詰まっていますので、機会があれば聞いて頂ければ、と思います。「今宵その夜」、「Zuma」、「Rust Never Sleeps」などを聞いて頂ければ、二ールが地で攻めのロックをしているのがわかっていただけるかと。。是非。(最終的には好みかもしれません笑)

2013/05/09 (Thu) 12:14 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>shomuyuさん

ども♪
これだけ知名度が高い人だから悪い音じゃないのは確かでしょうね。
後は好みと機会でしょうか、ご紹介ありがとうございます。

2013/05/10 (Fri) 20:26 | EDIT | REPLY |   
通りすがりのものです  

ニールヤングは多芸だが音が弱い、と私も思ってた時期があります。しかし90年代始めのウェルドというライブアルバムでぶっ飛んでしまいまして、それで見直した(きき直したというか。いわゆるグランジのゴッドファーザーとかいわれた時期ですね。その翌年にハーベストの続編ハーベストムーンを作ってまたナッシュビってしまうわけですが(^^;なんでも轟音で耳をやられて小さい音でしか演奏できなかったらしいのですが・・・最新作のサイケデリックピルも轟音かます長尺曲がたまらないものがあります。へろへろ声のおじいさん健在です。失礼しましたm(_ _)m

2013/09/04 (Wed) 22:39 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>通りすがりさん

そりゃアレだけのビッグネームですから色々あるんでしょうね。
なかなかもう食指が動かないのが本音ですが、人によっては惹き付けられるモノがあると思います。

2013/09/06 (Fri) 23:19 | EDIT | REPLY |   
akakad  

正直80年代以降のTrans以降のアルバムのほうが面白いです
バグルスみたいな音使ったりグランジ・オルタナ勢との共演など
00年代に入るとまたこの頃みたいになっちゃうんですけどね

2014/06/25 (Wed) 22:35 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>akakadさん

よくわかんないんですよねぇ、この人。
趣味じゃなさそうですが。

2014/06/29 (Sun) 19:36 | EDIT | REPLY |   
akakad  

今思うとオルタナティヴロックの思想面での父と言える気がします
静謐さ、静かな怒り、尊厳、幽玄さといったスピリチュアルな部分はNirvanaにしっかり受け継がれましたし
真面目なオルタナ系バンドのメンタリティは大体彼のそれに近いんですよね
この人を理解するうえでのキーワードはまさに心だと思います

2017/08/22 (Tue) 02:19 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>akakadさん

歌詞理解してないんで何とも言えないんですが、そうなんですかね。
いつか追求する気になるだろうか…

2017/08/28 (Mon) 20:42 | EDIT | REPLY |   

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  • 2009.05.09 (Sat) 01:37 | 4番、サード、 いたち野郎
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