Lou Reed - New York

2 Comments
 ロックの歌詞というのはもちろん重視する部分もあるし、時代を歌っていたり政治を歌っていたり力強いメッセージがあったり、日常を反映するものもあったりするし、そもそもアーティストの個性がにじみ出てくる部分だからすんなりと聞こえなきゃいけないものだと思う。が、日本人が洋楽を聴く時にはそれらの要素がかなり削減されているのも事実、でしょ。音だけでロックを聴く人も多いはず。もちろん追求すれば歌詞も、ってなるけどそこまでネイティブな人は多くはないんじゃないだろうか。そこでディランとかルー・リードとかパティ・スミスとかブルース・スプリングスティーンってのは一辺倒な楽曲に歌詞で迫ってくるとなると日本での人気は不利に働く。今じゃ大御所扱いされているから歌詞も、っていう感じだけどさ。もっとも皆個性的な楽曲だったからとっつきやすい部分はあったんだろうけどね。

NEW YORK ルー・リード/ベルリン [DVD]



 パティ・スミスの重さにちょっと心地良くロックな気分になり、ニューヨークの退廃的な側面を垣間見たなと思って、やっぱり連奏したのはルー・リード。しかもアルバムは「NEW YORK」そのもの。1989年リリースの作品だから決して古くはない…ハズ。ん?20年前か…、ま、いいじゃないか。

 ルー・リードってのは70年代のソロ作は何度か聴いていたけど、以降はほとんど手出ししたことがない。この「NEW YORK」というアルバムにしてもリアルタイムの時には大して興味も持たず、あぁ、また出したんだ…、くらいのものだったし、ちょっと煌びやかだった80年代末期にはあまりにもグレーすぎた。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを深く知るにつれてルー・リードの音世界や詩の世界ってのはなんとなくそういうもんかとは思い始めたけど、この手の人達って歌詞優先だからなぁ、とやっぱソロは聴かなかった。ボブ・ディランが顕著な例だったし。

 と、まぁ、色々あったんだけど結局「NEW YORK」を聴いたし、今また久々に聴いている。

「大人のアルバム」だな。

 音はシンプルな演奏でフォークとエレキ、それが心地良く鳴っている中にルー・リードの歌というよりも呟きがミックスも大きく入れられているという作風で、名盤と呼ばれているもののようだ。確かに聴いていて飽きないし、深みを感じるので良いアルバムなんだろうとは思う。しかし、欲も悪くもルー・リード節なのだ。この辺がアメリカンな所なのかな…と思ってしまうのだが、単調というのでもないけど一辺倒。やっぱこの人の場合は声が抑揚ないし声域が広い歌手でもなく呟きと投げやりさが良い感じなので、そういうもんだ。

 ロックってのは深い。

 こないだ「ベルリン」のDVDが出たらしく、そっちのが気になるな。



関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 2

There are no comments yet.
LA MOSCA  

遅いコメントすいません。
良くも悪くもルー・リード節。アメリカンなところ。
フレさんとは逆に、俺はソコがたまらなく好き。
音の質感もいいけど、歌詞がまたいいんですよ。
『ベルリン』のDVDも良かったですよ。

2009/05/17 (Sun) 13:22 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>LA MOSCAさん

退廃的ってのかな、ルー・リードの雰囲気ね。好きだけど、すぐにはわからない世界…、かな(笑)。「ベルリン」、よろしそうだなぁ…。

2009/05/17 (Sun) 20:37 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply

Trackbacks 1

Click to send a trackback(FC2 User)
この記事へのトラックバック
  •  ルーリード『New York』
  • Lou Reedのアルバム『New York(ニューヨーク)』。1989年発表。 ルー・リードほどユニークなボーカリストもなかなかいないと思います。まず第一に声域が狭いです。声量もよくわからんですが、たぶんあまりないんじゃないでしょうか。音程も結構外してる感じがしますね。...
  • 2010.11.25 (Thu) 13:01 | ROCK野郎のロックなブログ