The Doors - Live At The Matrix 1967

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Live at the Matrix

 60年代を生き抜き、70年代を生き延びられなかったカリスマ、ジム・モリスン。やはりドラッグとヘロインの餌食として祭り上げられる英雄のひとりで、今でも諸説飛び交う人。かなりクレバーな人なのでドラッグやヘロインで自殺する程の量を摂取するとは思われない。となると恋人のパメラに打たれた注射が過剰だったという説がマコトかもしれん。今となってはわからない真相ではあるが…。そんな時代の寵児でもあったジム・モリスンを配したドアーズ。

 随分前から未発表ライブ音源がちょくちょくとリリースされていて、ドアーズの歴史を細切れに出していたみたいだけど、去年の暮れにもまたひとつ古い音源が世に出された。1967年の3月にサンフランシスコで行われたライブ「Live at the Matrix '67」として相当編集されてリリース。ライブの曲順も全然違うし、それはそれである意味コンセプトもあるから分からんでもないが。
 ディスク1がファーストアルバム中心の選曲、二枚目はセカンドアルバム中心の選曲。実際のライブはそんなこと意図されていないので全然異なる曲順。しかも二日間で40曲くらいやってるからダブって演奏している曲も多数ある。この頃は一日に3セットもライブやってたらしいからしょうがない。そういうマニア的な見地からしたら非常に不満の残るライブリリースだったようだが、それでもオフィシャルでリリースされる最初期のライブならば貴重でしょ。セカンドアルバムの曲が云々と書いているけど、実際にはコレはファーストアルバム発表後数週間程度でのライブの様子を記録した作品だ。
 しかし、しかし、だ、あのドアーズ独特の緊張感漂うテンションのライブではないように聞こえてしまうのは何故?実際そうだったのかもしれない。そうだったらやはり「Absolutely Live」や「Alive, She Cried」は凄いライブを編集していた事になる。
 元々ブルースとジャズをベースにするバンドで、それは最初期からそういった曲を演奏している事がここでも分かるし、他のライブでも分かる。アルバム「モリソン・ホテル」くらいからは顕著にブルースへと回帰しているのも有名な話だ。ジム・モリスンの際立ったカリスマ性が単なるブルースバンドという印象を全く見せなくしているけど、実は所詮ブルースバンドしかできないバックの面々という本質もあったりする。ジャズもかじってるけど、みたいな。だからブルースなギターソロはほとんど聴かれない。そういう中途半端さが面白いのがロック、そしてジム・モリソンの偉大なるパフォーマンスこそがロック。そんな最初の頃の記録がこの「Live at the Matrix '67」という記念盤。決して当時のライブの模様を求めるアルバムじゃなくて、ひとつの記念盤。やっぱ、ヘンだもん、この曲順は、とライブ好きな人間は思うだろう。



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フレ
Posted byフレ

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