Johnny Winter - The Progressive Blues Experiment
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英国に於けるブルースギターを弾くロック人間とアメリカ現地でブルースを弾くロック小僧とではやはり圧倒的に差が生じる。黒人ブルースはちょっと特殊な領域になるので別枠だけど、白人が奏でるブルースという意味でもやはり違いは大きい。やはりアメリカ人のブルースは直系だ。だからストレートに引き継がれている。黒人直系だけど、そこに白人なりの主張が入るからホワイトブルースの世界になる。英国ではもうひとつフィルターが入ってしまう=ナマで見て学ぶ事がほとんど無かったので、憧れの音を如何にして真似るかという環境で育っている。クラプトン然り、だ。だから独自の文化になったけど、アメリカのブルースを聴くとやはり強烈。
ジョニー・ウィンターは最初から特殊な人間で、アルビノだからでもあるけど、その分黒人と仲良くなるのも早くて直系ブルースギターを早い段階で吸収していく環境だったようだ。そんなジョニー・ウィンターのアルバムデビューは一般的に1969年。その実1967年には既に一発録音による立派なデモテープというかスタジオ録音テープが存在していて、アナログ時代にはインペリアルレコードからリリースされていた。CDでは「The Progressive Blues Experiment」というタイトルでリリースされている。ジャケットが良いね。普通こういうのはあまりジャケットに拘らないけど、このドブロに写るジョニーはかっこいい。
そして中身の音はもうあのジョニー・ウィンターが完成されてる。23歳だったらしいが、もうあのままだ。ちなみにドラマーは後にスティーヴィー・レイ・ヴォーンと一緒にやって有名になるダブル・トラブルのトミー・シャノン。苦労人です、この人も。そして、一発録りだから思い切りナマナマしいけど、最初からあのまんま弾き倒すジョニー・ウィンターそのもので手数の多さが特徴的で、音色もそのまま。歌も独特の声と歌い方なのでそのまま。要するにメジャーになる以前から個性的なスタイルが完成されていて、それに磨きをかけただけという人。凄いわ、これ。ひとつひとつコピーしようと思っても出来ないもん。メタルギタリストの速弾きソロの方がまだコピーしやすい。ブルースギターの速弾きはコピーが至極困難だと思う。感情のフレーズがそのまま出てくるし技術じゃない部分多いから。
そしてまた怖いことにアコースティックドブロのプレイもデビューしてからと変わらないくらいの巧さ。もう脱帽です。何考えて生きてきたらこうなるんだろう?それが環境ってものだろうか。同時代に英国でクリームが「Rollin' And Tumblin'」やってたが、こっちも同じくらい凄い事やってる。いやはや、そんな時代背景を鑑みて聴いてるとこのクォリティの高さに驚く。いや〜、こういうアプローチもあるよな、と。
最近ではジョニー・ウィンター自身が制作に関わってリリースされているライブブートレッグシリーズもライブの楽しさをどんどんと伝えてくれるCDなので集めまくってしまいたくなる。
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